小林でヤングケアラー研修会 経験者が課題指摘

ヤングケアラーに必要な支援などについて話す宮崎成悟代表理事

 本来は大人が担うとされる家族の世話や家事などを日常的に行っている「ヤングケアラー」についての理解を広めようと、小林市は13日、市役所で研修会を開いた。ヤングケアラー協会(東京都)の宮崎成悟代表理事が、自らの経験を踏まえながら横断的な支援態勢の必要性を訴えた。
 市内の福祉機関やボランティア団体、民生・児童委員ら約120人が出席。宮崎代表理事はヤングケアラーの課題として、勉強や進学、部活動をあきらめる「分かりやすい」事例がある一方、「学校に行けてはいるが家庭内で責任を負っている」など「見えづらい」場合も多いと紹介した。
 15歳から難病の母親を17年間介護した経験から、当事者は周囲に理解されないつらさや将来への不安を感じていると指摘。状況の多様さを理解し、行政や民間、教育や医療などさまざまな分野が連携し、子どもの周囲に支援につながる「糸」をいくつも用意しておくことが重要と述べた。
 同市が昨年9月に実施した調査では、市内の小学4~6年生の1.4%、中学生の1.2%が「自分はヤングケアラーに当てはまる」と回答。市子育て支援課は「実態を分析し、支援の在り方を検討していく」としている。

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