子どもの孤立防げ 活動報告や討議 KOTOMO基金 岡山でシンポ

 貧困や孤立といった困難を抱える子どもらの支援に向け、NPO法人・岡山NPOセンター(岡山市)と山陽新聞社などが設立した「KOTOMO(ことも)基金」の活動報告会が18日、同市北区柳町の山陽新聞社さん太ホールであり、報告や討議を通じ子どもの孤立を防ぐ支援の在り方を探った。

 基金を活用する一般社団法人2団体が活動を発表した。子どもソーシャルワークセンターつばさ(倉敷市)は、毎月開くカフェを利用した中高生に調査を行い「病院を受診できない」「進学をあきらめ就職を選んだ」といった困り事を把握。紀奈那代表理事は「カフェでの声かけが悩みを引き出すきっかけになっている」とした。

 岡山市のSGSGは奉還町商店街(同市)に中高生が立ち寄れる「ユースセンター」を開所。野村泰介理事長は「子どもの日常にアンテナを張り、困る前に寄り添うことが大切だ」と強調した。

 困窮家庭支援などに取り組む3団体の代表は、「公的支援のはざまを埋めよう」「相談先が分からず孤立を深める子どもを支えたい」などと討議した。

 ホームレス支援などに携わる認定NPO法人(東京)の大西連理事長は孤立や孤独をテーマに講演した。オンラインと会場で計約180人が聴いた。

© 株式会社山陽新聞社