初めての「薪ストーブ」キャンプに向けて… 筆者が揃えて便利だった13道具を紹介!

こんにちは! 薪ストーブ大好きくにぱぐ(パギー)です。最近は安価で手ごろな薪ストーブが多く発売されるようになり、SNSなどを見ていると「今年から冬キャンプで薪ストーブを使います!」という方がだいぶ増えた気がしますね。そこで、長年薪ストーブを冬中使ってきた著者から「こんな道具があると便利!」という、薪ストーブデビューの方必見の記事をまとめてみます。

薪ストーブは 便利なギアで使い勝手をよくしよう!

筆者撮影

薪ストーブ初心者にとってはどの薪ストーブを選ぶのか?という大きな判断がまず必要ですが、実際購入をしてみると今度は、「どんな道具があれば薪ストーブを使えるのか?」という新たな疑問が湧いてくるはずだと思います。

最近は安価で手ごろなキャンプ用薪ストーブが増えてきていますし、値段の割にはパッケージ内容が充実しているので、買ってきただけでもすぐ薪ストーブを楽しむことができます。

一般的なキャンプ用薪ストーブのパッケージ内容

  • 本体
  • 煙突(スパークアレスター、ダンパー等付いたものも)
  • ロストル(ストーブ内に敷く金網)
  • 灰かき棒

このぐらい付いているのが普通に1〜2万円で購入できますから、本当に良い時代になったな…と思います。

実際、これだけあれば最低限キャンプで薪ストーブは使えますが、あればさらに薪ストーブが効率的に使える道具もありますし、テント内で使う場合は必須となる道具もあります。

今回は「テント内で薪ストーブを使うなら、これだけあればより快適!」という視点で、様々な道具を紹介していきたいと思います。

※テント内での薪ストーブ使用は、火災や一酸化炭素中毒のリスクがあります。メーカーによってはテント内での薪ストーブの使用を推奨していないケースもあります。よく注意の上、周囲への安全を意識し、自己責任で使うようにしましょう。

<薪ストーブ安全対策編>火災や一酸化炭素中毒を起こさないための必需品

まずは何を置いても、薪ストーブは安全対策ですね。

毎年一回は「テント全焼」「一酸化炭素中毒で死亡」というようなSNS投稿を見かけますし、そういう痛ましい事故を見ていくと、そもそも使い方が誤っているケースが多いです。

正しく薪ストーブを使い、さらにいざ火災等が起きた場合の事も考える必要があります。

買ったばかりの薪ストーブを早く使いたいのは分かりますが、テントを燃やしては意味がないですし、人命を危険に晒すことは断じてあってはなりません。

安全のために、せめてこのぐらいは用意しましょう。

煙突プロテクター

筆者撮影

煙突がテントに直接くっつかないようにするための道具です。これがない場合、テント内への薪ストーブの設置はできません

ただ、「三重(二重)煙突」という煙突で代用することはできます(目的としては同じものです)

よく、「煙突にサーモバンテージを直接巻いて代用」を見かけますが、非常に危険です。こちらの記事が詳しいので参考にしてみてください。

私の場合は、プロテクターにゆるくサーモバンテージを巻いています。

プロテクターだけだと、触れない程度にまでプロテクターが高温になることがあるためですが、ただ、それでもテントが溶けるようなことはなかったので、少し杞憂が過ぎる対策かもしれません。

サーモバンテージを巻いたプロテクターならそこまで高温になることもないので利点はあると思っていますが、この辺はキャンパー同士でも意見が割れるところですね。

ともかく「プロテクターは必須」ということは覚えておくとよいでしょう。

消火器

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転ばぬ先の杖ではありますが、私はここまでは携帯が必須だと思っています。いざというときに消火手段があるかないかで大分話が変わりますので。

使用するにあたっては期限があるので、たまに確認して買い替えましょう。

断熱板(ウインドスクリーン)

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小型のテントを用いる場合など、薪ストーブとテントの距離が近い場合にあると便利なのが焚き火用のウインドスクリーンです。

大きなテントの中央に薪ストーブを設置するなら気にする必要はありませんが、風が強い時やテントの入口を開けた際など、結構テントの幕はバタバタと動きますし、一瞬でも薪ストーブに直接触れると、どんなテントでも溶けます。

断熱板があれば、ごく短時間であればテントと薪ストーブの直接触れる際のダメージを防ぐことができます。

一酸化炭素チェッカー

薪ストーブは正しく使えば煙突から一酸化炭素が放出されるので、実はさほど一酸化炭素中毒のリスクは高くありません(個人的にはカセットコンロのほうが危険だと思うぐらいです)。

とはいえあくまでも「正しく使えば」の前提なので、慣れないうちは一酸化炭素チェッカーを常備しておくほうが安全です。

ペグ・ガイロープ・カラビナ

煙突や本体が倒れたりしないよう、薪ストーブの固定はしっかりと行いましょう。

特に重視すべきは本体をペグで固定することです。本体が倒れなければ、真上に出した煙突だけが倒れるということはありません。

煙突は先端部分に金具があれば、そこにカラビナを接続してガイロープを張り、ロープをペグで固定するだけで問題はありません。

ただし、煙突を真横に出すなどの場合はもっと複雑かつ厳重な安全対策が必要な場合もあります。

安全対策全般はみーこパパさんの記事を是非参考になさってください。

<薪ストーブ撤収対策編>細かい工夫でスピードアップ!おすすめアイテム

薪ストーブは普通、就寝の直前ぐらいまで使うので、おのずと片付けは朝となります。

分解や清掃の必要な大物ギアですから、できるかぎり便利な道具を用意しておき、撤収時間を短縮しましょう。

手こずっているとチェックアウト時間に間に合わないこともあります。薪ストーブをストレスなく使うためにも重要なポイントですよ。

潤滑油スプレー

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薪ストーブの煙突は加熱と冷却で変形し、朝には取り外しが困難になります(いわゆる「焼け付き」)。

こうなった煙突を1つ1つ取り外すのは大変時間のロスが大きいのですが、潤滑油スプレーを少量煙突の隙間に注入すれば、簡単に取り外しができるようになります。

なお、潤滑油スプレーは可燃性であるため、使用後は必ず拭き取りましょう。

また、あらかじめ塗っておく潤滑グリスもありますが、潤滑グリスは塗っておくと火災の原因になることがあるので、これは絶対にやめるようにしましょう。

煙突用ブラシ

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薪ストーブの中に残った灰や、煙突の煤をかき出すのに使用するブラシです。

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一般的なキャンプ場であれば灰捨て場があるはずなので、そこにストーブを持って行って、このブラシでかき出すと、あっという間に清掃は完了しますよ。

シャベルや灰かき棒でも清掃はできますが、スピードや効率を考えると、煙突用ブラシは非常に便利です。

スパッタシート

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薪ストーブの構造上、薪の追加のためにフタを開けると、熾火や燃えかすが地面に落ちてしまいます。地面が土なら翌日まとめるでもいいのですが、スパッタシートを敷いておくと集めるのが楽になります。

また、スパッタシートにはごく短時間なら断熱をする効果もあるので、地面に枯草などがある場合は、防火のためにも効果的です。

※熱は時間と共にスパッタシートを通過しますので、シートに落ちた熾火などはすぐにどかす必要があります。

<その他編>あったらあったで薪ストーブの楽しみが増える道具

以下、少し雑多になりますが、普段私が愛用している各種ギアを記載してみます。参考になる部分があれば幸いです。

ストーブファン(LED付き)

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薪ストーブの熱は上に逃げてしまうので、特に天井の高いテントなどだと暖房効率が悪い場合があります。そんな時にストーブファンがあると、温まった空気を上から打ち下ろし、熱を循環させてくれます。

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ストーブファンにはストーブに直に乗せて横に熱を飛ばすタイプのものもありますが、薪ストーブの場合、それではあまり効率がよくなく、こうした上から吊るすタイプのほうが断然効果があります。

私が使っているのはLED照明も兼ねるタイプで、しかもUSB給電ができるので、電池の消費を気にせず使えて大変便利です。

45度煙突

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薪ストーブは火の粉が出るという問題があります。

スパークアレスターという特殊な加工がされた先端用煙突を使うことで火の粉の飛散は軽減できますが、ふとした弾みに大量の火の粉が出ることはどうしても避けられず、最悪テントに穴をあけてしまうこともあります。

私はこのリスクを軽減するために、45度に曲がった煙突を1つ持っていて、煙突の接続を途中から曲げ、煙突の先端をなるべくテントから遠ざけています。

この方法を採るようになってから、火の粉でテントに穴が空いたことは一回もありません。

ただ、真上に煙突を出すのに比べて全体的な重量バランスが悪くなるので、ストーブの固定などはしっかり行う必要性が増します。

ゴトク

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薪ストーブの醍醐味は、ダッチオーブンなどの鍋を乗せての煮込み料理ですが、火力調整ができないので、ゴトクは必ず用意しておきましょう。

ゴトクを鍋と薪ストーブの間に挟めば、それなりに弱火に近い状態になります。

室内・室外温度計

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本体のほか、長いセンサーケーブルがついていて、テントの屋外と屋内の温度を一度に測れる温度計です。

何に使うかというと、単純に温度差を楽しむ目的です。

密閉度の高いテントで薪ストーブを使用すると、屋外が氷点下でもテント内は30℃を超えることもしばしばで、たまに地中のアリが冬眠から目覚めたりすることもあります。

その気温差を楽しむのが薪ストーブの醍醐味の一つかなと思っていますので、是非試してみてください。

なお、これとは別に、薪ストーブ本体の温度を測る金属製の温度計、というのも存在しますが、あまり使い道はないように思えます。

灰かき棒・トング・軍手

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灰かき棒は、薪ストーブの1.25〜1.5倍程度の全長があるものを用意すると便利です。

何故かというと、焼けくずれた熾火や燃えかすを平らに慣らすためです。

薪ストーブは非常に熱いので、ギリギリの長さの灰かき棒では、薪ストーブの奥のほうに溜まって壁になってしまった熾火や燃えかすに届きません。このため壁が邪魔で次の薪が入らなくなり、結構なストレスになります。

筆者作成

長い灰かき棒なら、このストレスが大きく軽減できますし、火傷などのリスクも減らせます。

トングは薪を入れる際に使用しますが、常に使うというよりは、やはりうまく薪が入らない時に奥の方を持ち上げたりするのに便利です。

軍手は設営・撤収時にケガと汚れを避けるのが目的です。皮手袋より細かい動きができるうえ、使い捨てにできるので重宝します。

最後に…薪ストーブ用の薪は「暖炉用」をまとめ買いしよう!

筆者撮影

道具については書き尽くしましたが、最後に薪ストーブでもっとも重要な薪について書きます。

薪ストーブに使用する薪ですが、針葉樹や建材などは持ちが悪く、爆ぜたり、火の粉の原因になったりします。

最近ではオガライトを使う人もいるようですが、オガライトは煙突からタールのようなものが出てしまい、煙突を詰まらせたり、テントを汚したりします。

そう考えると、薪ストーブにはやはり広葉樹がおすすめです。

広葉樹は煤も出にくく、完全燃焼するので、灰の量も極めて少なくて済みます。

爆ぜることもあまりなく、ストーブへの負担も小さくなります。

一回のキャンプで薪は20kgぐらいは使うのですが(私の場合。8時間程度薪ストーブを使用します)、キャンプ場でそれだけの量の広葉樹の薪を購入するのは、金額的に負担が大きすぎますね。

そもそもそれだけの広葉樹を置いてあるキャンプ場がどれだけあるかというと難しい話で、現地調達は避けたほうがいいでしょう。

私の場合、暖炉や家庭用大型薪ストーブの専門店に相談をしています。本来は大型薪ストーブを自宅に設置した人用の薪の販売をしているのですが、小売りもやっており、年一回、かなり安い価格で仕入れさせて頂いております。

画像の量(140kg程度)で14,000円。秋にまとめて購入し、冬の間に使い切る感じです。

なお、品種は毎年違っていて、これはヤマザクラです。ヤマザクラは燃やすと良い香りがします。

キャンプ(焚き火)用ではないため、太くて硬く、割るのも大変なのですが、薪ストーブであれば割らずに入れられますし、1本で30分ぐらい燃え続けるので、とても気に入っています。

薪ストーブを使うのであれば、こうしたこだわりの薪を見つけるのも楽しいですよ!では、よい薪ストーブライフをお過ごしください。

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