女優目指す福井県の13歳が東京の芸能事務所に合格 森下咲来さん「まずは地元で力蓄えたい」

東京の芸能事務所に所属し、女優を目指して福井県若狭町で奮闘する森下咲来さん=同町内

 女優を目指して奮闘する中学2年生が福井県若狭町にいる。森下咲来さん(13)は1年間のレッスンを経て、昨年12月に東京の芸能事務所のオーディションに合格した。地元の応援もあり、先日モデルとして初仕事を飾ったという。まずは「武器」を身に付けようと同町を拠点に芝居などの勉強に励む毎日。「大好きな地元を盛り上げながら、能力を高めたい」と意気込んでいる。

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 森下さんが女優を目指したのは2020年からの新型コロナウイルスの自粛期間中。外出が制限され心が沈んでいたとき、ふとテレビ番組から元気をもらっていることに気づいた。「わたしも笑顔を与えられる人になりたい」。親戚に芸能関係者が多く、選択肢の一つだったこともあり、将来の夢として定まった。

 21年秋ごろ、俳優の志尊淳さんを輩出したワタナベエンターテイメントスクールの東京校に入り、歌やダンスなどを学んだ。特に芝居は「稽古すればするほど上達できた。大変だけど楽しい」とのめりこみ、自宅でも妹の協力を得てせりふを練習したという。「夜行バスで通うのは大変だった」が、約1年で卒業。オーディションや面接などで5社から誘いをうけ昨年12月、芸能事務所「レベリズムスタンド」(東京)に所属した。

 上京を条件とする事務所は多かった。しかし、森下さんは「まずは武器も身に付けたい。地元でじっくり力を蓄える」と高校までは地元に残るつもり。そんな姿を見て応援する住民も多く、昨年秋にはコインランドリーのチラシのモデルを依頼された。ポージングや小道具を自分で考えて取り組んだこともあり、評判は良かったという。「これからも地元のお店や観光地を盛り上げる仕事をしていきたい」と森下さん。3月の宣材写真撮影を前に、早くもやる気十分だ。

 現在は舞台や韓国ドラマを見たり楽器を演奏したりし長所を模索。ライブ配信アプリで映画の出演権オーディションが催されることもあるため、ライブ配信にも毎日取り組んでいる。忙しい日々だが、森下さんは「作品のエンドロールに名前が出ることが当面の目標。演技派女優といわれるように精進したい」とたくましさものぞかせた。

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