四国水族館に“リョウマ”が来た! 3年愛実った珍エビ 生態は謎だらけも「味は美味しいらしい」

四国に“リョウマ”がやってきた。四国水族館(香川県綾歌郡宇多津町)では現在、世にも珍しいエビ「リョウマエビ」を展示中。同館では初めての展示で、オレンジ色の美しい体と「眼上棘(がんじょうきょく)」と呼ばれる眼の上の大きな棘が特徴的。同館の担当者は「四国や坂本龍馬に思いをはせていただければ」と話した。

リョウマエビは、インド太平洋の沿岸域水深20~500mに生息するイセエビ科のエビの一種。高知県の土佐湾沖で初めて発見されたことから、土佐藩出身の志士・坂本龍馬にちなんだ和名が付けられた。深海性であるため捕獲されること自体が珍しく、生態については解明されていない部分が多い。

四国ならではの豊かな水景を展示する同館にとっては、2020年の開館時から狙い続けていた“意中の相手”だったという。同館の担当者に話を聞くと「『リョウマエビがかかったら、当館に連絡してほしい』と漁師さんにお願いしていた」と明かし、3年目でようやく入った嬉しい知らせに「お客さんに見ていただいて、四国や坂本龍馬に思いをはせていただければ」と期待を寄せた。

“主に何を食べているか”なども解明されておらず、現状では飼育方法も手探り状態。イセエビの仲間ということで、アサリやイカなど、イセエビが好むものを与えており「アサリの食いつきが良かったので、継続して与えている状況」という。ちなみに、市場に流通しないため、その味を知るのは地元の漁師だけだというが「味自体は美味しいらしいですよ」と同担当者は明かした。

(よろず~ニュース・藤丸 紘生)

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