敗訴の湯河原町「秘密会に言及」 判決文の一部非公開要求 元町議側「原則に反する」

横浜地裁

 湯河原町議会報の記事で元町議の女性の名誉を傷つけたとして町に損害賠償などを命じた横浜地裁判決を巡り、町が地裁に対して敗訴した判決文の一部を閲覧禁止とするよう要求していたことが20日、関係者の話で分かった。町側は判決文が「秘密会の内容が裁判所を通じて公開されている」と主張するのに対し、元町議側は「憲法に定められた裁判の公開原則に反する」と反発している。

 判決文は「(争う余地のない)前提事実」として2020年9月の町議会本会議のやりとりを記述。一般質問の中で元町議の「(町税)滞納者の個人情報リストが(秘密会の場で)議員に共有されて回収されていない。これは問題ではないか」との発言を引用した。

 しかし、元町議の発言は秘密会の秘密に当たるとして公開されている町議会の議事録では元町議の発言は伏せ字にされている。町側は判決文の複数箇所に示された「リストが回収されていない」との記述を閲覧資料から削除するよう地裁に今月8日付で申し立てた。

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