女性だけでごみ収集 業界イメージ刷新へ 佐世保で「かえるプロジェクト」 

ごみ収集業のイメージアップなどを目的に活動するかえるプロジェクトのメンバー=佐世保市、壹良産業

 ごみ収集業のイメージアップなどを目的に、女性だけで不用品収集などを行う「かえるプロジェクト」に、長崎県佐世保市江上町の壹(いち)良産業が取り組んでいる。従事者のほとんどを男性が占めるごみ収集業で、女性のみで構成するのは珍しいグループだ。
 ごみ収集などのため、業者に自宅に来てもらう場合、女性だけの家族や女性の1人暮らしだと男性スタッフが家に上がることに抵抗がある人もいる。また、一般的にごみ収集業には汚い、男性社会などのイメージが強く、女性の職業選択の対象になることは少ない。
 そこで、同社は2019年7月にプロジェクトを立ち上げ活動を開始。女性が対応することで、安心感や清潔感、細やかな配慮を提供する。主任の徳住安代さん(45)は「業界の3Kイメージを刷新したい」と意気込む。プロジェクト名には「意識を変える」「持ち帰る」などの意味を込めた。
 現在は6人で構成。通常のごみ収集に加え、社会貢献活動の一環で再利用の意識を高める活動も展開する。要望があれば収集した利用可能な品を発展途上国の子どもたちへ届けたり、不要な物をあげたい人と欲しい人をマッチングしたりするなどのリユース活動にも注力。地域の学校でごみに関する出前授業を行い、「後継者」の育成にも取り組んでいる。
 徳住さんは歯科助手からの転身。自分で考えて仕事ができる点に魅力を感じているという。「女性の職業選択の幅を広げて活躍の場を増やしたい。業界のイメージをポジティブなものにすることで、ごみ削減にも貢献できたら」と話す。


© 株式会社長崎新聞社