「生計費決済」口座に入金6億5千万円…銀行口座を不正開設、容疑の22歳ベトナム人逮捕 共犯関係を捜査

埼玉県警察本部=埼玉県さいたま市浦和区高砂

 使用目的を偽って銀行口座を開設したとして、埼玉県警組織犯罪総合対策本部と所沢署の合同捜査班は21日、詐欺の疑いで新潟市江南区東本町4丁目、ベトナム国籍の専門学校生(22)を逮捕した。同本部は、この口座が詐欺事件などの犯罪収益のマネーロンダリング(資金洗浄)に使用されていた可能性があるとみて、取引の詳細や共犯などを調べている。

 逮捕容疑は2021年9月14日、新潟市内の金融機関において、インターネット利用による口座取引に必要な情報を第三者に提供した上で利用させる目的で口座開設を申請し、同月18日ごろ、専門学校生方に配送された容疑者名義のキャッシュカード1枚を受け取りだまし取った疑い。「間違いない」と容疑を認めているという。

 同本部によると、この口座には21年9月14日~昨年10月20日までの間、複数の国内の金融機関によるベトナム人名義の口座やベトナムにある銀行などから、計400回にわたって約6億5千万円が入金されており、その後は他のベトナム人名義の口座に送金され現金が出金されたり、暗号資産の購入が行われていたという。取引状況から名義人の専門学校生以外の人物が使用していることを特定した。

 専門学校生は口座開設時、銀行側に使用目的を生計費決済と偽って申請していたという。

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