王者トリプルエイトも2023年仕様『カマロZL1』を披露。華々しいシーズン公式ローンチ開催/RSC

 2023年3月10~12日に『ニューカッスル500』で新時代幕開けの日を迎えるRSCレプコ・スーパーカー・チャンピオンシップに向け、ホールデン改めGMシボレー陣営のファクトリーチームを務めるトリプルエイト・レースエンジニアリングが、2023年本戦仕様の『シボレー・カマロZL1スーパーカー』を公開した。フォード陣営の一角を形成するティックフォード・レーシングも、エースのキャメロン・ウォーターズがドライブする6号車モンスターエナジーカラーの『フォード・マスタング・スーパーカー』を披露するなか、現地2月22日の公式テストを控えたシドニーでは新車両規定“Gen3”の初年度を飾るシリーズローンチも開催された。

 この2月初旬より、全チーム1番乗りで第7世代『フォード・マスタング・スーパーカー』を公開したブランチャード・レーシングチーム(BRT)を皮切りに、各陣営が続々とGen3マシンを発表しプライベートテストに臨んできたが、前年度のチャンピオンチームとして『オフテスト限定リバリー』を用意して新時代を迎えたレッドブル・アンポル・レーシングは、シリーズ公式テストに合わせて王者“SVG”ことシェーン-ヴァン・ギズバーゲンと、2年目のシーズンを迎えるブロック・フィーニーがドライブする、2023年向けの“本番”カラーリングを発表した。

「何より、この新しいクルマはそのスタイルからもうカッコ良さがあるよね」と、今季の相棒に対してまずはルックス面の『合格点』を与えたSVG。

「ここ数年はかなり似た雰囲気だったから、今季のカラーリングは僕らにとっても非常に大きな変化だ。ブルーとレッドが混ざり合い、ホワイトのルーフがいかにも“タフ”な雰囲気を醸し出している」と続けるSVG。

「トリプルエイトの設計とエンジニアリングチームは、他のいくつかのチームとともに、このカテゴリーのために膨大な量の作業を行ってきた。メカニックもここ数カ月でクレイジーな時間を過ごしてきたし、近年はチーム全体が強いクルマを準備するために素晴らしい仕事を続けてきた」

「そして、まったく新しいこのGen3モデルも、最初のテストデイでロールアウトしたときから問題なく動作した。それは素晴らしいことであり、彼らの仕事の質が高い証でもあるね」

 一方、そのチャンピオンに対し対抗馬の本命と目されるティックフォード・レーシングは、2020年、2022年とランキング2位に終わった雪辱を期すべく、おなじみのカラーをまとうエースの6号車と、今季から本格デビューを果たすルーキーの56号車を披露した。

「このGen3については、ここまでずっと話し合ってきたような気がするから、ついに新しい“モンスター・マスタング”を生で見ることができて本当に素晴らしいね」と語った28歳のウォーターズ。

「見た目はタフだし、サウンドもさらに良い。レースの半分が見た目で決まるなら、多くのレースで勝てるだろうね(笑)。もう今からトラックに出るのが待ち切れないよ」と、冗談を交えながら笑顔を見せたウォーターズだが、ここ数年続いているライバルの“絶対王政”を覆すのに、この2023年こそが「最高の機会」だと決意を新たにする。

「今季はカテゴリーにとって大きな年になる。新しいマシンは本当に物事を揺るがす可能性があるからね」と続けたウォーターズ。

「誰もがほとんどゼロから始めているし、今後数週間のテストで学ぶべきことがたくさんある。(開幕の)ニューカッスルに着いたら、シーズンが誰のゲームになるかが明らかになるだろう」

シリーズ公式テストに合わせて王者”SVG”ことシェーン-ヴァン・ギズバーゲンと、2年目のシーズンを迎えるブロック・フィーニーがドライブする、2023年向けの”本番”カラーリングを発表した
「まったく新しいこの”Gen3″モデルも、最初のテストデイでロールアウトしたときから問題なく動作した。それは素晴らしいこと」とSVG(左)
フォード陣営の一角を形成するTickford Racingも、エースのキャメロン・ウォーターズがドライブする6号車”Monster Energy”の『フォード・マスタング・スーパーカー』を披露
ステップアップ・シリーズのSuper2で2022年のチャンピオンを獲得したデクラン・フレイザーもトップカテゴリー昇格を果たす

■4人目の“マスタング使い”をティックフォードが抜擢

 同じくステップアップ・シリーズのスーパー2で2022年のチャンピオンを獲得したデクラン・フレイザーは、そのウォーターズやジェームス・コートニー、トーマス・ランドルと並ぶ4人目の“マスタング使い”としてトップカテゴリー昇格を果たす。

「最初は信じられない気分だったが、今はすべてがリアルに感じられる」と、現地でファッションブランドを展開するトレイディの支援を受け、新たにGen3マスタングをドライブするフレイザー。

「ここ数カ月は本当にクレイジーな時間だった。スーパー2でチャンピオンシップを獲得した後、こうしてティックフォードと契約し、メインゲームで最初のフルタイムシーズンを戦えるんだからね」と意気込みを語るフレイザー。

「本当にエキサイティングな時間だし、ドライバーとしては膨大な学習曲線になるだろうけど、クルマは最高に素晴らしく見える。うまくいけば、本当に成功した1年になるだろうね!」

 新時代の幕開けを約2週間後に控え、シドニーの現地月曜に開催された公式シーズンラウンチでは、シリーズの“聖典”である『バサースト1000』の60周年と、スーパーカーにとって最大の変革を迎えるGen3初年度となる2023年を盛大に盛り上げる、華々しい船出の夜となった。

「今年はファンにとって忘れられない年になるだろう。カマロvsマスタングのデビュー、サンダウン500の復活、そしてマーキーイベントであるバサースト1000の60周年を祝う、このスポーツの歴史の中でもっともエキサイティングな年のひとつとしてかたち作られる」と挨拶したのは、スーパーカーのシリーズCEOを務めるシェーン・ハワード。

「ここ数カ月、精力的に取り組んできたチームが新型車両を発表し、真新しいスーパーカーをトラックで走らせるにつれ、興奮と期待が高まっているのを感じる。今日、我々は新しいシーズンだけでなく、この国の偉大なスポーツの新しい時代を開始する。あと2週間強で、これらの素晴らしい新車たちがニューカッスルの路上でレースを開始するのが待ち切れない」

現地2月22日の公式テストを控えたシドニーでは新車両規定”Gen3″の初年度を飾るシリーズラウンチも開催された
「今年はファンにとって忘れられない年になるだろう」と、スーパーカーのシリーズCEOを務めるシェーン・ハワード
Repcoの最高経営責任者を務めるウェイン・ブライアントも「Gen3プログラムが、エキサイティングな新しい章を作り出す」と期待を寄せる
今季よりフォードにスイッチしたWalkinshaw Andretti Unitedは、リー・ホールズワースとファビアン・クルサードの耐久カップ登録ドライバー起用をアナウンスした

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