【厚労省_医薬品販売制度検討会】落合弁護士「デジタル原則とオーバーラップするもの」

【2023.02.22配信】厚生労働省は2月22日、「第1回医薬品の販売制度に関する検討会」を開いた。この中で、弁護士の落合孝文氏(渥美坂井法律事務所・外国法共同事業)は、自身が作業部会の委員を務めるデジタル庁デジタル臨時行政調査会(デジタル臨調)での「デジタル原則」の議論にも触れ、医薬品の販売制度も「オーバーラップするもの」だとの見方を示した。

同検討会では、医薬品の販売区分及び販売方法やデジタル技術を活用した医薬品販売業のあり方が議論される。
デジタル技術の進展を踏まえ、薬剤師等による遠隔での情報提供の可能性などを議論するほか、一般用医薬品による救急搬送事例の増加を踏まえ、濫用等のおそれのある一般用医薬品の販売のあり方も議題とする。

こうした議題に対し、落合弁護士はデジタル臨調で、「デジタル原則」を踏まえた「アナログ規制に関する点検・見直し」が手掛けられていることを説明。デジタル臨調では、2022年12月開催の会議で、法令約1万条項全ての見直し方針及び見直しに向けた工程表が確定したと報告されている。今回の検討会の開催の目的の1つに、2022年6月に閣議決定された「規制改革実施計画」での「患者のための医薬品アクセスの円滑化」の議論があるが、落合氏は「規制改革推進会議の書面・対面規制の見直しも、デジタル原則とオーバーラップするもの」とし、「それを踏まえて議論をしていただけるといいと思う」と述べた。
デジタル原則とは、現行の規制や法令がデジタル時代に則しているかを判断する適合性についてデジタル臨調が5原則を規定しているもの。

落合氏はデジタル原則に基づく見直しの中で特に、常駐・専任規制が見直しされるとし、「必要な部分については国会でも改正法案が提出されるということになっている」と説明した。

一方、医薬品においては有効性・安全性の確保は重要だとして、「場合によっては強化、新しくつくることも必要だと思っている」と指摘した上で、「ただ、その際もオンラインにだけ厳しくするということではなく、リスクに対応しようということであれば対面・オンラインを問わず両方を適切に整理するべき」と指摘。「対面と差別するということは行わないように整理していただくことは重要」と述べた。

スイッチOTCやタスクシェアについては進める要望をした。
スイッチOTCについては、「規制改革推進会議でも例年、スイッチOTCの話にも取り組んでいる。必要な範囲について、枠組みの整備を議論していただけるといいのではないか」と述べた。
タスクシェアについては、「過疎地域などにおいては医師だけでは地域医療を維持できないという声もいろいろなところからあがっているところ。薬剤師の業務の拡充、専門家としての役割も重要だ」と指摘した。

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