生まれ育った板橋区を誰にとっても楽しい街にするために、魅力を伝え、困っている人に寄り添いたいという、渡辺よしてるさん。2019年に板橋区議に初当選以来、子育て世代や妊婦さんの支援に力を注いできました。専業主夫の経験もあり、2人のお子さんの子育てをしながら政治を行う渡辺さんに区政に賭ける思いをお聞きしました。
誰もが楽しめる板橋区でありたい!一人ひとりの悩みや問題に向き合う政治家を目指す
選挙ドットコム編集部(以下、編集部):
板橋区の区政への挑戦を決めたきっかけを教えてください。
渡辺よしてる氏(以下、渡辺氏):
人生で何か起きたときに私のように立ち止まってしまう人、不安な状況が分かっているのに後回しにしてしまう人に、寄り添い一緒に進んでいきたいと考えたのが、政治家を目指したきっかけです。
父親も母親に共感して一緒に子育てをしていきたい
編集部:
板橋区議としてどのようなことに力を入れて取り組んできたかをお聞かせください。
渡辺氏:
子育てや妊婦さんへの支援に力を注いできました。
一例をあげると、低学年の授業に着衣水泳を取り入れた実績があります。子どもの水難事故が起きている現状を踏まえて、服を着たまま水に入るとどれだけ身動きが取れなくなるのかを、実際に体験することが大事だと考えました。
着衣水泳の目的は、泳ぐことではなく服を着ていると泳げないことを実感してもらうことにあります。
編集部:
小中学校の女子トイレに生理用品を置く提案もされたそうですね。
渡辺氏:
生理用品に関して、今まで議会で提案が出ることはありませんでした。生理用品のことを議題に出すのは、もちろん困っている児童、生徒のためというのもありますが、それ以上に男性社会である政治を改革したい思いがありました。
編集部:
女性の生理は男性には踏み入れにくい領域の印象があります。
渡辺氏:
女性特有の生理は、男性にとっては馴染みのないものかもしれません。しかし、男性である私が提案することで、今まで見過ごされてきたものも議題に上がり、解決策を打ち立てていけると考えています。
また、板橋区の中学校の校則をホームページで確認できるようにしました。子どもが大事な3年間を過ごす中学校の校則や制服の種類などの確認は事前にできるようにするべきです。
編集部:
子育てに関する声はやはり母親からが多いのでしょうか。
渡辺氏:
着衣水泳や校則に関する要望は、母親からしか出てきません。子育て中の母親が求めているのは共感なのに、最も身近にいる夫に気持ちをわかってもらえない現状があります。そこで子育てアプリを使いやすく、夫婦で情報を共有できるように改善しました。
編集部:
それまでも板橋区には子育てアプリはあったのでしょうか。
渡辺氏:
子育てアプリはありましたが、区のホームページにリンクされるだけで本当に困っている子育て世帯の助けになっていたとは言えません。
子育てアプリを改善して子どもの様子や食事、睡眠などを両親で共有できるように変えました。子どもを持つ女性議員の声を聴いたり、企業に話を聞きに行ったりして、コンテンツとして充実したものを作るように尽力しました。
編集部:
他にはどんなコンテンツがあるのですか。
渡辺氏:
YouTubeでレシピ公開をしています。給食のレシピであったり、離乳食のレシピなど、日々の献立に悩んだら、サイトを見て参考にしてもらえたら嬉しいですね。
問題は見過ごさず、必要なところに支援の手を広げる
編集部:
困っている人には、どのような支援を行うべきと考えていますか。
渡辺氏:
解決策を知らずに困っている人がたくさんいます。役所や窓口に相談すれば解決できるものはたくさんあるので私が「じゃあこうしましょう」というのは簡単です。
しかし、問題に対して行政が全て教えるのではなく、一緒に解決方法を考えたり、話を聞いたりして進めていくのが大切だと思っています。また、要望の奥にある、本当に解決したい悩みを知り、アプローチしていくことが大切です。
編集部:
子育て支援についてどのような政策を考えていますか。
渡辺氏:
今、考えているのは保育園の手ぶら登園です。保育園に行くのに普段は着替えやおむつ、週明けであればお昼寝用の布団を持って、登園をしています。おむつや布団などのサブスクリプションサービス(サブスク)を取り入れたいと考えています。
編集部:
保育士の待遇改善についてお聞かせください。
渡辺氏:
保育士の待遇については、給与を今の倍にするか、労働時間を半分にするかが必要だと考えています。生活が安定して余裕ができると、保育の質の向上にもつながるでしょう。
編集部:
財源については、どのようにお考えですか。
渡辺氏:
給与をあげて待遇改善のような話をすると、毎回「財源をどうするんだ」と訊かれるのですが、財源がないというのは、保育士の待遇を改善しない理由にはなりません。
まずは、きっかけを作ることが重要です。板橋区の保育士の給与をあげるといっても突拍子もない金額ではないでしょう。経済的にも、生活できる給与を渡すべきだと考えています。
子どものさまざまな事故があるため、どうしても監視の目が厳しくなってしまいます。もちろん、事故を起こさないための対策も必要ですが、保育士の待遇の改善をしっかり訴えていきたいですね。
子育てをしながらでも政治の世界に入れると示したい
編集部:
保育園の送りと食事は、渡辺さんが担当されているそうですね。
渡辺氏:
板前経験もあり、普段の食事は私が準備しています。朝も2人の子どもを保育園に送っていくんですが、私と同じように保育園にお子さんを送るパパも多くて、時代が変わってきているのを実感しています。
編集部:
子育てをしながら区政に臨む思いを聞かせてください。
渡辺氏:
今回は、普段と同じ生活を崩さずに挑みたいと考えています。特別な7日間だからといって、妻に育児や家事をすべて任せて、がむしゃらに動くのではなく、保育園の送りも家事も普段通り行いながら、結果を残したいですね。
家族を犠牲にしないと政治家にはなれないような社会にはしたくありません。政治に興味があるものの子育てがあるからと諦めている人に、子育てをしながらでも政治の世界に進めると示したいですね。
実際に体験して感じた板橋区の魅力や楽しさを伝えていきたい
編集部:
普段はご家族でどのように過ごされていますか。
渡辺氏:
休みの日は、家族で地元のイベントに参加したり商店街で買い物をしたりしています。板橋区を家族で楽しみたいので、区内で開催されるイベントには家族で参加しています。いろいろなところに顔を出しているので、妻も商店街を歩いていると声を掛けられるそうです。
家族で楽しめない街に私が「板橋区はいい街です。住み続けてください」というのはとてもおかしな話ですよね。実際に経験したうえで、板橋区は楽しい街だと伝えていきたいです。
編集部:
板橋区の魅力を教えてください。
渡辺氏:
板橋区はふらっと近所に出かけて楽しい街という魅力があります。目立つ観光スポットはあまりないものの、知るとおもしろい街です。徳川吉宗が鷹狩に訪れていたこともあり、1000年を超える神社仏閣も多く、高さ12.5mの大仏さま(東京大仏)もいるんですよ。
鎌倉大仏のような観光スポットにはなれないけど、近くに大仏を見に行けるコンセプトの街も魅力的ですよね。
編集部:
これからどのような社会にしていきたいですか。
渡辺氏:
男女の垣根なく誰もが平等な世の中にしていきたいですね。子どもたちが大人になったときに、誰もが平等な世界であることが私の願いです。
そのためにも、立ち止まっている人や困っている人に寄り添い一緒に解決していける政治家を目指しています。
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