「ホッとした」謎の鉄球“漂着ごみ”として30分ほどで撤去 あえなくスクラップの運命か

浜松市の遠州浜海岸で見つかった“謎の鉄球”。静岡県は2月23日、撤去作業を行いました。海岸には、この漂着物の最後を見届けようと訪れる人の姿もありました。

<鉄球を押している子どもたち>

「重たい」

浜松市西区の遠州浜海岸に流れ着いた謎の鉄球。2月21日、通報を受けて、現場周辺は一時、立ち入りが制限されましたが、警察が調べた結果、中身は空洞で爆発の恐れはないと確認されました。叩いてみると、乾いた音がして中身が空洞なのが分かります。

この謎の鉄球、海の専門家の東海大学海洋学部・山田吉彦教授は「パヤオ」と呼ばれる漁礁に使う「ブイ」とみています。「パヤオ」は魚が流木に集まる習性を生かし、ブイの下にロープなどを取り付けて魚をおびき寄せる仕組み。謎の鉄球は、その「ブイ」だというのです。

そして、23日、県が謎の鉄球の撤去作業に取り掛かりました。

<野田栞里記者>

「午前9時です。鉄球の撤去が始まりました」

重機で持ち上げたところ、重さはおよそ300kgほどあったという謎の鉄球。砂に埋もれていた部分にも持ち主につながる手掛かりはありませんでした。

<野田栞里記者>

「(鉄球は)重機で引きずられていきます」

鉄球にワイヤーを掛け、砂浜を引きずるようにして運び、撤去作業は30分ほどで終了。海岸にはこの漂着物の最後を見届けようと訪れる人の姿もありました。作業を終えた県の担当者は。

<静岡県浜松土木事務所 沿岸整備課 福田達樹主査>

「ホッとしましたね。改めて海岸に漂着したゴミとして撤去することになった。浜松市民のみなさんも心配し、何なんだろうと興味もわいたと思いますが、撤去作業が終わり安心している」

謎の鉄球は、この後、浜松市内に一定期間保管され、持ち主が出てこなければ、スクラップされる見通しです。

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