【F1テスト新車情報:レッドブル】ようやく実車をお披露目。ニューウェイらしい空力コンセプトのRB19

 2月23日、バーレーン・インターナショナル・サーキットでF1の2023年シーズンのプレシーズンテストが始まった。2月上旬から行われた新車発表では、いくつかのチームがカラーリングを発表するのみにとどまっていたが、このテストでようやく全チームの実車が出揃った。今回はオラクル・レッドブル・レーシングの新車『RB19』を特集する。

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 2月3日のアメリカ・ニューヨークでの新車発表は旧型マシンに2023年のカラーリングを施したショーカーだったレッドブル。2月10日のイギリス・シルバーストン・サーキットでのシェイクダウンは非公開だったため、レッドブルの新車RB19が一般に公開されるのは、バーレーンでのプレシーズンテストが初めてとなった。

RB19のフロントサスペンションはプルロッド方式

 バーレーンのプレシーズンテストが始まるのは午前10時だが、テストが開始される前にFOM用の撮影がホームストレート上で行われるため、午前9時前にRB19がガレージから運び出されてきた。フロントサスペンションは昨年同様、プルロッド方式を採用。

スラント型ノーズを採用

 ノーズは先端が、フロントウイングの一番下のメインフラップではなく、下から2枚目のフラップまでのショートノーズというのは昨年と同じだが、ノーズの形状が昨年までとは少し異なる。RB18のノーズは先端に行くにつれて、左右が細くなるペン型だったのに対して、RB19のノーズは左右の幅を大きく変えず、上面の角度が下方向へ垂れ下がったスラント型ノーズとなっている。

サイドポンツーン下部は昨年以上に絞り込まれている印象だ

 サイドポンツーンの下側が大きく絞り込まれた形状は今年のマシンでも継承されているが、RB19はより大きく絞り込まれた印象となっている。

RB19のサイドポンツーン

 レッドブルのあるスタッフによれば、マシン後部を絞り込むために、カウルのなかの冷却システムに大きな変更を加えているという。

ルーバーの位置は『HONDA』ロゴの前に変更されている

 冷却システムに変更を加えたためか、エンジンカウルに設けられていたルーバーの位置が昨年と若干異なっている。昨年まではカウル内の空気の出口の上側に設けられていたが、出口となる膨らんだ部分(『HONDA』のロゴの前)に移動している。

リヤサスペンションはプッシュロッド方式を継続。排出口からサスペンションのパーツがうかがえる

 リヤサスペンションも昨年同様、プッシュロッド方式を採用している。カウルの後ろ端に設けられた排出口から、サスペンションのパーツが見える。プッシュロッド方式にすることで重心は上がるが、フロア周辺にスペースができるため、空力的にはメリットとなる。いかにも、エイドリアン・ニューウェイ(チーフテクニカルオフィサー)が率いるレッドブルらしい空力コンセプトだ。

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