韓国紙「米国が日本にレアアースを直接販売」「中国を排除し供給強化」

韓国聯合ニュースは23日、米国のレアアース(希土類)生産企業であるMPマテリアルズが日本企業に直接レアアースを供給する内容の契約を締結したとブルームバーグ通信報道(22日)を引用して報じた。

(参考記事:韓国紙「中国がレアアースの輸出制限開始へ…リスト公開」「米国への対抗措置」

同報道や両社の声明文によると、MPマテリアルズはカリフォルニア州にある「マウンテンパス(Mountain Pass)」鉱山(画像)で採掘されたレアアースを日本貿の住友商事に直接販売することにした。

これまで、この鉱山で採掘されたレアアースはほとんどが中国に送られ、中国で製錬されたレアアース商品を日本企業が購入する方式をとっていた。

聯合は「今回のこのような契約を通じて、米国と日本間のレアアースサプライチェーンから中国が排除されることになった」と伝えた。

マウンテン・パスで採掘されたレアアース素材/MPマテリアルズ

MPマテリアルズと住友商事は共同声明を通じて「今回の契約が日本の製造業にとって極めて重要なサプライチェーンの安定化、多様化、そして強化につながる」と明らかにしている。

聯合は「最近、米国は中国が世界レアアース市場を独占するかのような状況を脱するため政策的努力を傾けている」とし、「米国は安定したレアアース供給チェーンを主要安保懸案とみなしてきた」と分析している。

レアアースとは、化学元素周期表のランタノイド系列にある17種類の元素の総称だ。セリウム、ネオジム、スカンジウム、イットリウムなど、多くの電子機器や製品の製造に必要な素材が含まれる。また、レアアースは、環境保護技術や医療技術、防衛技術などの分野でも使用される。

世界的にレアアースの需要が高まっている一方で、これまで中国が世界のレアアース生産の大部分を占めており、供給に対する独占的な地位を持っているため、中国の政治的・経済的な圧力や制約により、レアアース市場に深刻な影響を与える可能性があった。

この報道をみた韓国のネットユーザーからは以下のようなコメントが投稿されいている。(※ネイバーニュースコメント参照)

「世界のレアアース埋蔵量の多くが中国にあるもんだからあれほど強気なんだな」
「レアアース生産1位が中国だったとは…」
「希土類加工は賃金が安く環境汚染もあるから中国が多く引き受けていたのだが、今後どこが引き受けるのか」
「日本企業も外面では笑ってるふりをして実際は不安だらけだろう…我々は同じような策はとらず、中国とも関係を維持して安く原材料を確保しなければ輸出で食べていけない。中国と手を切ろうとする人でも、例えばカップラーメンが2倍以上値上がりすれば後悔するはずだ…」

以上 コリアエコノミクス編集部

(参考記事:「タリバンが1兆ドル規模のレアアース掌握…中国が狙ってる」米CNBC
(参考記事:「韓国も日本などのようにレアアースの対中依存を下げる必要がある」韓国研究機関が提言
(参考記事:香港紙「日本の輸出規制に中国半導体協会が抗議声明」…日本製品入らず不安反映か

(参考記事:韓国紙「中国で日本製半導体製造装置の問い合わせ殺到…輸出規制控え」
(参考記事:韓国紙「核融合技術特許数は中国が1位、日本は4位」 韓国も日本技術で追い上げ
(参考記事:韓国紙「日本でドローンタクシーが初飛行…機体は中国製」「176兆円市場は中国主導」

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