韓国紙「日本の閣僚、輸出規制問題で韓国を牽制」 緩和めぐり駆け引き?

韓国メディア・ニューシスは21日、時事通信を引用し、西村康稔経済産業相が半導体素材の対韓国輸出規制(輸出管理強化)について、緩和を期待する韓国の思惑を牽制したと報じた。

(参考記事:韓国紙「日本政府が対韓国輸出規制の緩和を検討」「ホワイトリスト復帰を判断計画」…産経引用し一斉報道

西村大臣はこの日、閣議後の記者会見におおいて、「韓国の輸出管理状況などを総合的に評価して実効性を把握する」としつつ、強制徴用問題と関連し、韓国側が輸出規制緩和を期待していることについては「全く違う議論だ」と牽制したとニューシスは伝えた。

日本は2019年7月から半導体製造に使われる高純度フッ化水素・EUV用フォトレジスト・フッ化ポリイミドなど3品目に対する輸出規制を実施した。2019年8月には貿易管理手続きを簡素化する「ホワイト国(白国)」リストから韓国を除外した。

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これら措置は徴用工問題の賠償判決に対する報復措置であるとの見方が韓国では大勢だが、日本側はこれを輸出管理の強化であるという立場をとっている。

韓国政府はWTO(世界貿易機関)違反であるとし提訴したが、日本側は対話による解決を求めている。

西村経済産業賞は「韓国が開始したWTO手続きを停止することが何よりも重要だ」と明らかにした。

尹錫悦政権になり韓国政府は日本に接近しており、徴用工問題に関しても解決方法が前向きに議論され、それに伴って岸田政権が対韓国輸出規制も緩和するとの見方が日本側メディアから伝えられたこともあり、韓国側で期待感が広がっていた。しかし、西村大臣の発言からは規制緩和の可能性はまだ伺えない。

この報道をみた韓国のネットユーザーからは以下のようなコメントが投稿されいている。

「…たしかにホワイトリスト除外問題とWTOは別問題だ。だからこそこの問題を徴用工に紐づけるのは止めよう…」

「現政権は日本政府と同じぐらい仕事をちゃんとやれ…尹政権は良いようにやられている」

「日本が韓国を引きずり回しているな。 左派が中国に対するかのように、加害者でもないのに過度に(日本に)ペコペコしてどうする。 日本は友達にも同盟国にもならない」

(参考記事:韓国紙が一斉報道「西村経産相が訪米し半導体規制を議論」 強い関心の理由は?【解説】
(参考記事:香港紙「日本の輸出規制に中国半導体協会が抗議声明」…日本製品入らず不安反映か
(参考記事:韓国裁判所「日本の輸出規制を苦に死亡した会社員、遺族給与など支払いを」 政府の不支給判断を覆す

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(参考記事:「世界革新企業100社」に韓国企業が5社、日本は38社…違いは層の厚さ?
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