「子ども増えれば予算増える」 新たな倍増論で混乱に拍車 「不信倍増」「ゆりかごから墓穴まで」?

 子ども関係予算の倍増の根拠を巡り野党から攻撃を浴びる政府内から新たな視点が打ち出され、混乱に拍車がかかっている。岸田文雄首相の側近である木原誠二官房副長官が「出生率が上がればもともとの予算が膨らむ」と主張。総枠論を持ち出して「1人当たり2倍」とのこれまでの政策イメージを覆した。交流サイト(SNS)上では「不信倍増」「ゆりかごから(内閣の)墓穴まで」などと政府への抗議が続出。与党内からも批判や疑問が相次ぐ。

 騒ぎに拍車をかけた発言は21日放送のBS日テレ「深層NEWS」の中で出た。木原副長官は子ども関係予算倍増について「子どもが増えればそれに応じて予算は増えていく。したがって出生率がもしV字回復して本当に上がってくれば、割と早いタイミングで倍増が実現される」と説明。出生率が上がれば結果として予算が2倍になる、との新見解を披露した。

 自民党の三原じゅん子元厚生労働副大臣(参院神奈川選挙区)は23日、自らのツィッターで副長官発言への報道を引き「え?『予算倍増』ってそういう意味で使ってたの?」と付言。副大臣当時に不妊治療への保険適用を実現する過程で抱いた「具体策の先に出生率アップがある」との政治信条を踏まえ、順序が逆との不信感をにじませた。

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