コーヒー味わう器 7千点超ずらり 岡山で企画展、作家73人出品

所狭しと並ぶコーヒーのための器

 コーヒーをおいしく味わう―。そのための器を集めた企画展が岡山市北区石関町のアートスペース油亀で開かれている。陶磁器やガラス、木製など7千点以上がずらり。機能性に優れていたりユニークな形状をしていたりと多種多様だ。個性が光る品を紹介する。

 陶芸家柳忠義さん=福岡県=のカップは思わず目を疑う。陶器の輪っかを組み合わせた鎖が底に付いており、真っすぐに置くことができない。「冷めないうちに飲んでほしい」と、一度注ぐと飲み干さなければならない形にしている。柳さんは陶製のスピーカーも出品し、コーヒーのお供に音楽を提案している。

 カフェラテの泡がしっかりと立ち、消えにくいようにと作られたのは、備前焼のコップ。作家の藤原史暁さん、弘暁さん=いずれも備前市=親子が手がけた。釉薬(ゆうやく)を使わず凹凸のある表面によって、より空気を含ませられるという。外面に付けたドット模様もアクセントになっている。

 企画展「珈琲(コーヒー)のための器展」は2010年から毎年開催し、今回は全国の作家73人が出品。倉敷市産のマスカット・オブ・アレキサンドリアの剪定(せんてい)木を燃やした灰を使ったマグカップや耐熱ガラスのコップ、コーヒー豆の形をしたブローチなども並ぶ。

 代表の柏戸喜貴さんは「コーヒーを愛しているからこそ生まれた作品たちばかり。手に取って確かめて」と話している。

 3月19日までの午前11時~午後7時。火曜休み。問い合わせは油亀(086―201―8884)。

底に鎖が付いたカップ。飲み干すまで置くことができない
カフェラテの泡が長持ちするように作られた備前焼のコップ

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