福井県のプロ野球選手が語る吉田正尚の凄さとは…中村悠平や栗原陵矢、山崎颯一郎が絶賛

大学生との練習試合で打席に立つレッドソックス・吉田正尚=フォートマイヤーズ(共同)

 米フロリダ州フォートマイヤーズでキャンプを張る米大リーグ・レッドソックスは2月24日(日本時間25日)の練習試合を皮切りに実戦をスタートさせた。福井から初めて海を渡った大リーガー、吉田正尚選手(福井市出身)には福井県勢のプロ野球選手も、迫るシーズンに向けてエールを送る。

 2022年の日本シリーズ第5戦、痛恨のサヨナラ本塁打を許したヤクルトの中村悠平捕手(福井商業高校出身)は「失投を一発で仕留めた。(勝敗を左右する)ああいう場面でしっかり決める、ホームランにするのが正尚」と絶賛する。

 吉田選手の日本シリーズ7試合の打率は1割7分4厘と低い。しかし、投手には失投できないというプレッシャーが常につきまとった。日本一を決めた第7戦の五回は、満塁で打席に立った吉田選手に中村捕手は内角を要求。厳しく突いた一球が押し出し死球となった。続く杉本裕太郎選手には外角を要求したが、速球が甘く入り、さらに得点を許した。「彼(吉田)がいると打線にいやらしさがあり、他の打者にもいい影響を与える」と中村捕手は振り返る。

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 21年の東京五輪でともに戦ったソフトバンクの栗原陵矢選手(旧春江工業高校出身)は「トレーニングやウオーミングアップ一つにしてもすごく丁寧でストイック」と話す。プロ入り直後はけがに泣かされ、体づくりに深く向き合ってきた吉田選手だからこそ、同じプロから見ても目を見張るものがあるのだろう。

 6年間同じユニホームを着てきたオリックスの山崎颯一郎投手(敦賀気比高校出身)は「プレッシャーの中で打つのはプロでも数は限られる」。自身が2021年にプロ初勝利を挙げた試合で本塁打を放つなど、間近で目にした勝負強さに舌を巻く。

 西武の長谷川信哉選手(同)にとって吉田選手は高校時代からすでにプロで活躍している存在だ。22年は同じグラウンドに立つ機会もあり、「ボールへのバットの入れ方は他の打者にないものを持っている。ステップが小さい中で体幹がぶれず、肘の使い方なども含めてすごい」と印象を語る。

 これまで吉田選手の一打に何度も泣かされてきた選手らも同郷という立場から応援は惜しまない。栗原選手は「一野球人としてメジャーでプレーしている姿を見たい」と話し、中村捕手は「スーパースターの才能を持っている。成功できる」と話した。

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