比田勝-釜山航路が3年ぶり再開 韓国人利用客「対馬観光楽しみたい」 島の経済にはプラスと期待

約3年ぶりに再開した対馬・比田勝と韓国・釜山を結ぶ国際定期航路で、比田勝港に降り立つ乗客たち=対馬市上対馬町

 新型コロナウイルス流行で休止していた長崎県対馬市北部・比田勝と韓国・釜山を結ぶ国際定期航路は25日、約3年ぶりに再開した。当面は週末中心で、乗船定員は最大100人までの条件付き。釜山発の第一便はほぼ満員で、韓国人利用客からは対馬観光を「楽しみたい」との声が聞かれた。
 同日午前10時ごろ、釜山発の高速船「パンスター対馬リンク号」が比田勝港に到着した。国際ターミナル内では、地元事業者らが「ようこそ対馬へ!」と記した横断幕を用意。入国審査を終えた乗客が姿を見せると、拍手で歓迎した。

比田勝港国際ターミナルのロビーで、対馬市民から拍手や横断幕で歓迎を受ける高速船の利用客

 1泊2日で対馬を訪れた釜山の男性会社員(58)は「山登りやアナゴなどの食事、釣りを楽しみたい」と話し、団体ツアー用の観光バスに乗り込んだ。
 第1便の船長に、記念の花束を贈呈した比田勝尚喜市長は「いかに(運航の)制限を解くか、関係機関と協議を重ねたい。島の経済にはプラスだが、国内観光客とのバランスもとりつつ、日韓交流にもますます磨きをかけたい」と述べた。
 対馬と釜山を結ぶ国際航路は、1999年に始まった。高速船で対馬を訪れた韓国人観光客は、2018年に過去最多の約41万人を記録したが、19年の日韓関係の悪化で利用客が激減。20年3月を最後に運休が続いていた。


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