【F1テスト新車情報:ウイリアムズ】退任した元TDが指揮をとり開発したFW45。サイドポンツーンの段差が特徴

 2月23日、バーレーン・インターナショナル・サーキットでF1の2023年シーズンのプレシーズンテストが始まった。2月上旬から行われた新車発表では、いくつかのチームがカラーリングを発表するのみにとどまっていたが、このテストでようやく全チームの実車が出揃った。最後はウイリアムズの新車『FW45』を特集する。

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 昨年の12月12日に、ヨースト・カピートとともに退任したテクニカルディレクターのフランソワ-グザヴィエ・ドゥメゾン。FW45は、そのドゥメゾンが指揮して開発されたマシンだ。

FW45はロングノーズに変更

 昨年まで採用していたショートノーズから、ノーズの先端を最下段のメインフラップまで伸ばしたロングノーズに変更。ちなみに2023年シーズンにロングノーズを採用したチームはメルセデス、アルピーヌ、アストンマーティン、アルファタウリ、そしてこのウイリアムズの5チームで、ノーズに関して言えば、完全に分かれた。

マシンに特殊な液体をぬり、空気の流れを確認

 ノーズの変更は空力の流れに大きく影響するため、テストではマシン表面に特殊な液体を塗って、空気の流れをチェックするフロービズを何度も行っていた。

サイドポンツーンの入り口はオーバル型

 サイドポンツーンの入口の形状は、昨年のイギリスGPでサイドポンツーンを大きく変更して以来、採用しているオーバル形状を維持。

サイドポンツーン下のフェンスの形が横長に

サイドポンツーン下の一番外側のフェンスが昨年は縦長だったが、今年は前方に張り出す横長に変更された。

2022年のイギリスGPで投入したダウンウォッシュ型を維持

 昨年の序盤戦まではメルセデス同様、サイドポンツーンのボリュームを極力小さくしたゼロボッド型を採用してきたが、イギリスGPからコンセプトを変更。レッドブルらが採用しているダウンウォッシュ型を今年も維持してきた。

FW45のサイドポンツーンは、後方に向かう傾斜に段差があるのが特徴だ

 ダウンウォッシュ型サイドポンツーンのなかでは、後方に向かう傾斜に段差がある特徴的な形状をしている。

FW45のリヤ

 カウルには両サイドに入ったスリット以外は排出口は見当たらず、リヤウイングとディフューザー周辺もすっきりとしたデザイン。もともとウイリアムズはダウンフォースを重視するよりも、空気抵抗が少ないエアロダイナミクスに定評がある。細かな空力パーツを装着すればするほど、ダウンフォースは増すが、その分、空気抵抗が増える。どちらを選択するかはチーム次第だが、ウイリアムズは間違いなく今年も後者を選択しており、ストレートスピードが必要なサーキットでは上位チームを一泡吹かす走りを披露するに違いない。

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