「心の復興まだまだ」宇都宮で震災伝えるイベント 高校生ら福島の現状報告【動画】

福島県双葉町などでの活動を報告する県内の高校生ら=26日午後、宇都宮市中央1丁目

 東日本大震災の被災地支援に取り組む団体「ともしびプロジェクト宇都宮支部」などは26日、宇都宮市総合福祉センターで、大震災の経験を伝えるイベント「想い紡ぐ3.11」を開いた。県民ら約40人が参加し、被災者の話や被災地での活動報告を通じて一人一人にできることを考えた。

 同支部と宇都宮大地域デザインセンター地域防災部門、学生団体「UP(宇大生プロジェクト)」などが共催した。

 東京電力福島第1原発事故で本県への移住を余儀なくされた福島県双葉町出身の2人が体験談を披露。会場で講話した宇都宮市在住の半谷八重子(はんがいやえこ)さん(76)は「風化はどんどん進むが、心の復興はまだまだ。震災を思い出さない日はない」と訴えた。

 昨年11月に同町を訪れた県内の高校生と大学生4人による活動報告も行われた。宇都宮東高2年高木雅帆(たかぎまほ)さん(17)は「学校に友達がいて、帰る家があることは決して当たり前ではない。命を大切に精いっぱい生きていきたい」と述べた。

 この日は、津波被害をテーマに絵本を制作した宮城県東松島市、大学4年武山(たけやま)ひかるさん(22)も登壇し、「震災は家族の形も人の心も大きく変えてしまう。まずは命を最優先に守ってほしい」と自助の大切さを訴えた。

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