“アツい”シニア勝負 折田(諫早)が区間賞 長崎県下一周駅伝 代替大会

名ランナーがそろった11区のシニア区間を制した諫早の折田実(県庁、中央)=県立総合運動公園特設コース

 「この顔触れは“アツい”」「誰が勝つのか」…。レース前にそう評されていた11区のシニア区間。コロナ禍で中止の間に出場規定の40歳以上になった選手も含め、これまで一般区間で活躍してきた名ランナーたちが競演した。その混戦を制したのは、学生時代に陸上経験がない県下一周駅伝初出走の42歳、諫早の折田実(県庁)だった。
 佐世保工高時代は卓球部。29歳の時、職場の駅伝大会で活躍したのを機に徐々に走る時間を増やし、30代後半からは小学生クラブのMJCの練習にまぜてもらった。現在、県高校長距離界を代表する選手になった双子の牟田颯太、凜太(鎮西学院高)も当時の一員で、この日は颯太とのリレーが実現。「それだけで大満足なのに」と謙虚に区間賞を喜んだ。
 年を重ねても脚光を浴びることができるのがこの駅伝の魅力。「中止を挟んでようやく夢がかなった。練習はうそをつかない。次は一般区間で走れる力をつけて、陸上に携わり続けたい」と決意を新たにしていた。
 その折田に1秒差で敗れた長崎の森田稔(三菱重工長崎)、3位で佐世保の福地宏行(アイワ商事)ら古参組も、悔しさをにじませつつ「楽しかった」と口をそろえる。
 西彼・西海では鳴北中時代から全国で実績を残してきた池田圭介(SUMCOTECHXIV)が15年ぶりに出走。「感謝でいっぱい」と区間6位にも穏やかだったが、最後は力強く言い切った。「基本、負けるの嫌いなんで。このままじゃ終われないですよね」
 “アツい”勝負はこれからも続きそうだ。


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