子どもが育ち、若者が戻ってきたいと思う島根県にしたい  「幸せに生きることを 当たり前に」 自民党浜田支部青年局副部長・足立たけし氏(PR)

島根県西部に位置する浜田市で、自民党浜田支部青年局副部長を務める足立たけし(あだち・たけし)さん。出身地でもある浜田市への郷土愛を胸に、介護や障害者の支援などに公私の隔てなく駆け回ってきましたが、その背景には若者の流出や県内の地域格差への危機感があるといいます。「誰もが、幸せに生きることを当たり前に」を信条とする足立さんが描く「ふるさと」の持続可能性向上に向けたアイデアとは?お話を伺いました。

市役所からまちへ 飛び出したからこそ見えた地域課題

選挙ドットコム編集部(以下、編集部):

政治家を志したきっかけはなんですか。

足立たけしさん(以下、足立氏):

私は浜田市出身で、浜田商業高校を卒業した後、地元での就職を希望していたため市役所に入職しました。

公務員として16年間務めた中で、2年に1人しか選ばれない島根県への出向のほか、商業振興や水道事業、経理などの担当部署を歴任し、行政マンとして様々な経験を積ませてもらいました。

ただ一方で、行政だけでは解決できない地域課題があることに気づきました。たった一度の人生で、役所の「外の景色」を見たいとの思いもあり、自分が浜田市のためにできることを問い直すために退職しました。

その後、親が経営する会社で介護タクシー事業の手伝いなどをしていました。その中で、高齢者や要支援者と触れ合う中で行政の支援が現場のニーズに追いついていないと感じました。こうした現実を変えるためには議会に声を届ける人間が必要だと気づき、その役割を自ら果たそうと決断したのがきっかけです。

編集部:

どのようなところが不足していると感じたのでしょうか。

足立氏:

介護タクシー事業に従事してから、朝から大勢の人が市内の病院に行列をつくっていることを知りました。浜田市は合併して、面積が琵琶湖や東京23区と同じくらい広くなったのですが、医療拠点は1カ所しかないため集中していたのです。役所勤めをしていた時には見たことがなかった風景に衝撃を受けました。

それと同時に、高齢者が病院に満足に通えない状況ではいけないと強く思いました。高齢化が進行する中で、すでに施設やヘルパーの数も不足しており、今から政策を実行していかなければ手遅れになってしまいます。

また、個人事業として、市内での放課後等デイサービス事業や不登校児の居場所づくりにも携わっています。発達障害を始めとした生きづらさを抱える子どもが増えているなかで、そうした個性豊かな子どもたちの受け皿を増やすことも求められています。

子どもや高齢者の想いを聞き、時代の変化を捉えた政策を実現

編集部:

役所の「外」に出たからこそ見えた視点ですね。

足立氏:

私は、「誰もが、幸せに生きることを当たり前に」を政治活動の信条としています。

議員活動に加えて、NPO法人や地域の社会福祉協議会などの個人活動を通じて、子どもたちや保護者、高齢者からの声を直接聞きとるようにしています。

役所の職員が努力していることはよく知っていますが、行政側だけの視点で作成した予算や計画では、市民とマッチングしない部分が出てきてしまいがちです。

議員は行政に対して政策提案が直接できる存在です。働きながら子育てする世帯が増え、高齢者が増えるなど様々な時代の変化が起きている中で、市民の要望を的確に把握し、正しく行政に伝え、政策を実現していかなければなりません。政治の世界にも変化が求められています。粘り強く取り組んでいきたいと思っています。

編集部:

2013年の初当選後、市議を2期目務めました。特に力を注いでいる分野は。

足立氏:

柱としているのは「介護」「医療」「障害」です。

まず介護では、高齢者が自宅や自分の住んでいる地域で住み続けられる環境の整備が必要です。訪問系の介護事業者が増えるように、新規の事業所開設に対する行政支援の充実などを実現してきました。

高齢者への支援では、紙おむつなどの現品支給継続化や公共交通機関の料金補助の事業化などを働きかけてきました。重症化予防のためには、高齢者が外出しやすい環境づくりも重要ですからね。

この環境整備には医療と介護の連携強化が欠かせませんので、支援を促進し、徐々にスムーズになってきています。

編集部:

障害の分野はどうでしょうか。

足立氏:

現在は、発達障害も含めた障害児の居場所支援を中心に取り組んでいますが、子どもたちの将来を考えると成人後に自立するための就労支援の重要度も上がってきます。現在は、就労可能な職業が偏っているのが実情ですので、障害者の職業選択の自由を保障する施策にも取り組んでいるところです。

子どもから高齢者まで、誰もが幸せに暮らせるまちづくりを前進させることで、定住促進につなげる狙いもあります。

若者が帰ってきたくなるまちに 市の発展が島根県を盛り上げるカギ

編集部:

郷土愛をひしひしと感じますが、最近の楽しみは何でしょうか。

足立氏:

身体を動かすことが好きなので、時間を見つけてはジムで鍛えるようにしています。

中学・高校時代は野球部に所属しており、甲子園を夢見る純粋な高校球児でした。ポジションはピッチャーから外野までなんでもこなしましたね。

30代になってから、親のススメでトライアスロンに挑戦していた時期もあります。マラソンは小学生の時に市内1位をとるほど得意だった一方で、泳ぎは苦手だったので1カ月半ほど猛特訓してから、皆生(鳥取県)でのトライアスロン大会に臨みました。当日、台風のために水泳の競技は無しとなったのも今では笑い話になり、良い思い出です。

編集部:

これから実現していきたい政策を教えてください。

足立氏:

ひとりひとりが輝くまち」「人と人がつながるまち」「夢が実現するまち」の3つのまちづくりに取り組んでいきたいです。

特に、一度県外に移住した若者と浜田市の関係を保つための施策が必要だと感じています。具体的には、浜田市出身の若者にふるさと納税の返礼品でもある特産品の地域便を送ることや、オンラインでまちづくりの議論に参加できる仕組みづくりなどを考えています。

島根県は東西に長く、浜田市が位置する県西部の人口は全体で17万9000人です。一方で、県東部に位置する出雲市は、西部全体と同等の人口17万2000人を抱えています。さらに、県東部には県庁所在地の松江市も位置しているため、県政はどうしても東部中心の政策になりがちです。

浜田市は西部の中核都市で、全国に13港しかない「特定第三種漁港」が立地しており、漁業資源が豊かな土地です。ところが近年は、他の港に水揚げ量で大きく差をつけられて衰退傾向です。基幹産業として漁業を復活させていくためには、市の予算だけでなく、県からも予算を配分してもらえるよう働きかけていく必要があります。

編集部:

最後に、どんなまちにしていきたいかをお願いします。

足立氏:

今住んでいる人が幸せに生き、一度は出ていった若者が「いつか帰ってきたい」と思うまちにしていきたいです。

島根県は総じて若者の流出が多いですが、地元就業率をみると、東部に位置する松江市や出雲市が約40~50%、浜田市では約30%と、地域格差が生じています。

県全体で半分以上の若者が出ていっている事実には、危機感をもって真剣に考える時期に差し掛かっています。浜田市を含む西部を盛り上げることが、県全体の振興にもつながります。地域の持続可能性を向上させるため、全力で取り組んでいきます。

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