方言かるたで「島ムニ」継承 沖永良部・和泊町 小学生が作成、展示

 【沖永良部】鹿児島県の和泊町歴史民俗資料館(和泊町根折)で3月31日まで、ミニ企画展「島ムニ継承の取り組み」(島ムニは同島の方言)が行われている。展示会では同町の小学生や有志らによる方言継承の取り組みを紹介する。小学生が言葉を考えイラストを描いた方言かるたや、自由研究で作成した方言の「神経衰弱」、和泊町地域女性連絡協議会が制作した日常生活で使えるフレーズをまとめたパンフレットなどの成果が展示されている。

 方言かるたは、和泊町子ども会育成連絡協議会が主体となり作成したもので、同町21集落の小学生たちが自由な発想で考えた言葉を、有識者が方言に直したもの。「はみどぅるごろごろぬんぎゃー(雷ゴロゴロこわい)」「ひーぬふーさいじてぃくささんくささん(おならがたくさん出てくさいくさい)」など、子どもならではの発想に富んだ作品が並ぶ。集落ごとで異なる発音はそのままにしており、集落名をかるたに記載している。

 同資料館専門員の伊地知裕仁さんは「自分たち40代から下の世代は、方言を聞くことは半分程度、話すことはできない。今回、さまざまな立場の方々の方言継承に対する取り組みを展示した。この企画展が少しでも方言に触れるきっかけになればうれしい」と期待を込める。

 (ネルソン水嶋通信員)

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