植生の回復状況評価 霧島地域シカ対策検討会

 本県と鹿児島県にまたがる霧島錦江湾国立公園(霧島地域)の森林生態系保全に向けたニホンジカ対策検討会(環境省主催)は21日、えびの市のえびのエコミュージアムセンターであった=写真。国や県、関係市町の担当者や識者ら約30人が出席。同地域でのシカ食害対策を踏まえ、植生の維持、回復状況の評価案が報告、承認された。
 同省による評価案では、1990年代の植生を長期・広域的な目標基準とし、現状と比較。目標におおむね近い状態を「レベル3」、植生が衰退、または回復の兆しがない状態を「レベル0」とし、6エリアを4段階で評価した。エリア平均「0」となったのはえびの高原周辺と御池周辺で、えびの高原内「2」(回復傾向が見られる)、白鳥山周辺「3」などだった。
 検討会では、関係機関全体で年間約2千頭のシカを捕獲し、生息数がやや減少傾向にあることも紹介された。

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