創業地に「原点回帰」 地域との縁感じ移転決意 宇津救命丸の宇津社長

本社移転について説明する宇津救命丸の宇津社長(左)=27日午後、県庁記者クラブ

 創業地・高根沢町への本社移転を27日に発表した宇津救命丸(東京都千代田区)。今年で創業から426年を迎える。「夜泣きといえば宇津救命丸」と言われるほど、長年、子供用の医薬品メーカーとして親しまれてきた。本社移転を決断した宇津善行(うつよしゆき)社長は「地元の人々の健康に貢献する」という創業時からの理念の下、「原点回帰」で事業のさらなる成長を目指す考えを示した。

 創業は1597年、安土・桃山時代にさかのぼる。創業者の宇津権右衛門(ごんえもん)は、御殿医として宇都宮氏に仕えていた。同氏が豊臣秀吉(とよとみひでよし)から処分を受けたのに伴い同年、今の高根沢町へ移り、村人の健康のために薬を開発。無償で配布した。これが後の「救命丸」だ。

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