悪用の恐れも 宇都宮市の市章入り防寒着がリサイクル店で見つかる

リサイクル店で売られていた市章入り防寒着=2月下旬、宇都宮市内(画像は一部加工しています)

 宇都宮市の市章が入った防寒着が同市内のリサイクル店で未使用品として販売されていたことが、27日までに分かった。市の内規で定めた使用年限を過ぎた物だが、特殊詐欺などの犯罪に悪用される懸念もある。市は改めて職員に支給された市章入り作業着などの適正処分を求めることにしている。

 防寒着は紺色で裏地がオレンジ色。左胸に市章が刺しゅうされている。24日午後に下野新聞記者が確認した時点では、4400円で販売されていた。左前下には数字の「21」が刺しゅうされており、同じ番号のズボンも3300円で売られていた。

 店の担当者によると、本来はこうした官公庁のマークが入った服は買い取りしないが、市章とは気付かず店頭に並ぶことになった。担当者は「二度とこのようなことがないようにしたい」と述べ、商品はすぐに店頭から撤去した。

 市人事課によると、防寒着は刺しゅうの数字から2009(平成21)年に貸与されたとみられる。貸与の衣服は5年間で廃棄するか返却することになっているという。同課は「店頭に並んでしまった経緯はさまざまなケースが想定されるが、いずれにしても問題がある」としている。

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