【神奈川の部活動は今】野球連盟が独自調査 地域移行に半数賛成も…「無給」は7割反対

来年度から始まる中学部活動の地域移行。軟式野球の現場でも模索が続く=昨年8月の県中学総体から

 2023年度から段階的に始まる公立中学の部活動地域移行を巡り、神奈川県内中学の軟式野球部の指導者から率直な意見が寄せられた。

 県野球連盟の中体連支部が本年度に実施したアンケート形式の独自調査では、5割近くが地域移行に賛成した一方、「無給の立場でも希望するか」との問いには7割以上が反対するなど、揺れ動く心境が透けて出る。部活動の在り方が大きく変わり得ることから、同連盟は「制約を受けず、子どもたちが野球に打ち込める環境を」と心を砕いて模索している。

 8日、部活動の地域移行について理解を深めようと、県内の野球関係者有志によるシンポジウムが横浜市内で行われた。会議の資料として共有されたのが、県野球連盟が県内公立校の野球部顧問らを対象に実施したアンケート。

 調査には415人が回答。そのうち、90.6%の学校で教員一人につき一つ以上の部活動を受け持つ「全員顧問体制」を維持していることが判明し、83.7%の教員が今後も野球部顧問を希望した。ただ、現場からは「全員顧問制をやめて、希望者が指導できる環境を整備してほしい」「正当な賃金を受け取るシステムにしてほしい」といった意見もあった。

 部活動の地域移行について「するべき」と答えたのが、約半数の46.9%。地域移行後、ボランティアや無給で部活指導を続ける意向に関しては72.4%が「希望しない」とした一方、兼職兼業(有給)での指導には78%が「顧問を希望する」と答えた。

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