とあるPGAプレーヤーがオンライン購入した13年モデルのアイアンを使う理由

ケリー・クラフトはツアー未勝利の34歳 ※撮影は2019年「全米プロ」(撮影/田辺安啓(JJ))

2012年に初めてPGAツアーでプレーしたテキサス出身の34歳であるケリー・クラフトは、最近の用具変更で往年の輝きを取り戻している。グリーンでボールを止めやすくするため、打ち出し角が高くスピン量の多いアイアンを探していたところ、オンラインで購入したキャロウェイ レガシーブラック アイアンに解決策を見出したのである。

2013年に発売されたキャロウェイ レガシーブラックは、ヘンリック・ステンソンがキャリアを通じてその名を高めたアイアンで、北米外のごく限られた市場向けにしか販売されなかったモデル。実のところ、このモデルが米国で販売されたことは一度もなかった。

レガシーブラック アイアンは遠藤製作所によるS20C製の鍛造アイアンであり、独自の振動抑制ラバーが打音と打感を高めている。このところクラフトが試打していた近年のクラブと比較すると、重心位置が若干ヘッド後方寄りになっていることで高打ち出し高スピンが実現している。これは、必ずしも全てのゴルファーにとって最良というわけではないが、まさにクラフトが探し求めていたものだった。

「彼は思いがけずにこのアイアンをオンラインで購入したんだ」と、キャロウェイのPGAツアー担当部長であるディーン・テイクル氏は述べた。「彼はより打ち出し角が高く、スピン量の多いアイアンを探していて、レガシーブラックはこれまで彼が使用していたTCBやMBよりも重心位置が深かったんだ」

すでにキャロウェイはこのモデルの製造を終了していたため、クラフトは独自でオンライン検索し、このセットを見つけ出したのである。2023年「ザ・ホンダクラシック」で使用し、55位で4日間を終えた。

クラフトが使用するキャロウェイ レガシー ブラック アイアン(提供:GolfWRX, PGATOUR.com)

ただし、クラフトはアイアンセットこそ過去のモデルを使用しているものの、ドライバーとフェアウェイウッドはキャロウェイの最新モデルであるパラダイム トリプルダイヤモンドにアップグレードしている。テイクル氏によると、クラフトは特にドライバーの打音と打感、そしてバラつきの少なさに感心したとのこと。クラフトのティショットの持ち球はドローだが、新しいパラダイム ドライバーの寛容性により、ミスをしてもターゲットラインに近い球を打つことができるのである。

テイクル氏は、最新のヘッドがわずかながら高打ち出し、低スピンとなったことから、クラフトがこれまで使用したドライバーよりも0.5度ロフトを加えたことを明かした。

クラフトはコースコンディションやレイアウトにより、キャロウェイ パラダイムの7番ウッド、スリクソンZXドライビングアイアン、そしてキャロウェイ エイペックス ハイブリッドを使い分けている。番手の下の方は、タイトリスト ボーケイ SM9 ウェッジ、そしてカスタムのオデッセイ バーサ“2ボール”パターで固めている。

クラフトの2023年「ホンダクラシック」における使用ギアのスペックは以下の通り。

ドライバー: キャロウェイ パラダイム トリプルダイヤモンド(10.5度)
シャフト: アルディラ シナジー60TX

3番ウッド: キャロウェイ パラダイム(3HL 16.5度)
シャフト: アルディラ シナジー70TX

7番ウッド: キャロウェイ パラダイム(21度)
シャフト: アルディラ シナジー80TX

ユーティリティ: キャロウェイ エイペックス(2番18度)
シャフト: KBSプロトタイプ95S+

アイアン: スリクソンZX(4番)、キャロウェイ レガシーブラック(5番~PW)
シャフト: プロジェクトX IO 6.0フレックス 110グラム

ウェッジ: タイトリスト ボーケイ SM9 ジェットブラック(50度、56度、60度)
シャフト: トゥルーテンパー ダイナミックゴールド ツアーイッシューS400

パター: オデッセイ バーサ 2ボール カスタムレッド
グリップ: オデッセイ ガーセンクワッドツアー

(協力/ GolfWRX, PGATOUR.com)

© 株式会社ゴルフダイジェスト・オンライン