『独占告白 渡辺恒雄』大反響&4刷決定! 田原総一朗、佐藤優に続き、『週刊新潮』に後藤謙次の書評が掲載!

読売新聞グループ代表取締役主筆である渡辺恒雄へのロングインタビューを元にしたノンフィクション『独占告白 渡辺恒雄~戦後政治はこうして作られた~』が、 2023年1月17日(火)に新潮社より発売。 刊行直後から好調な売れ行きを示し、発売から2週間で3刷が決定。その後も勢いが衰えず、このたび4刷が決定した。

田原総一朗、佐藤優に続き、『週刊新潮』に後藤謙次の書評が掲載

月刊誌『波』2月号には、田原総一朗(ジャーナリスト)と佐藤優(作家・元外務省主任分析官)の書評が掲載。

<この本には、渡辺さんが戦後すぐに入党して「共産党はダメだ」と思った経緯が書いてある。あの時点でそう言い切っていたのは本当にすごい>

(田原総一朗)、

<戦後の怪物である渡辺氏の全体像に迫る最良のノンフィクション>

(佐藤優)と推薦の言葉が寄せられている。 さらに、『週刊新潮』(2月22日発売号)には、元共同通信編集局長でジャーナリストの後藤謙次の書評が掲載。

<本書が興味深いのは、その「ナベツネモデル」の成立過程が赤裸々に明かされていることだ。同時に渡辺恒雄という類い稀なる個性なしには成立し得ないものであることが伝わってくる>

と、この本の読みどころが紹介されている。

今作の内容と読みどころ

▼テレビ未収録発言も含め、大幅加筆

本書は、BS1スペシャル『独占告白 渡辺恒雄~戦後政治はこうして作られた~ 昭和編』(2020年3月7日放送)と、NHKスペシャル『渡辺恒雄 戦争と政治~戦後日本の自画像~』(2020年8月9日放送)を元に、両番組をディレクターとして制作したNHKの安井浩一郎が書き下ろしたノンフィクション。番組内では放送しきれなかった渡辺の発言を多数収録したほか、新資料や時代状況の描写を新たに記載し、識者・関係者への追加取材を敢行。戦後政治の「最後の目撃者」による貴重な証言を余すところなく盛り込んだ決定版だ。

▼赤裸々に語られる戦後日本の内幕

本書では、渡辺自身が目撃し、時には自らが関与した政局や外交の裏側が赤裸々に語られている。岸信介政権期、渡辺は将来の首相就任の順番を記した「総理大臣禅譲密約書」の存在を突き止め、自ら写真に収める。ところが、いざ自民党総裁選が行なわれると、岸首相はその密約を反故にした。永田町の権謀術数を目の当たりにした渡辺は、政治の現実について、「だましてだまされての世界、だまされる方が悪い」と語る。また、日韓国交正常化交渉に際しては、自ら韓国の要人と水面下で交渉を行ない、自民党副総裁・大野伴睦の訪朝をお膳立てした。今回のインタビューの中で、自ら政治にかかわる行為は記者としての一線を超えているのではないかと問われると、「お互いの国益にプラスなんだ」「外務省がやらないんだから俺らがやってやるということだ」と語っている。

▼間近で見た歴代首相の素顔

本書には、渡辺が目にした歴代首相の素顔が語られている。憲法改正を悲願にしながらも支持を得られなかった岸信介と国民の距離感、前任首相・池田勇人への対抗心も相まって沖縄返還を旗印にした佐藤栄作の執念、強烈な個性と政治手法ゆえに金脈問題で失脚した田中角栄の功罪、そして首相就任まで二人三脚で歩んだ中曽根康弘との友情──。権力の中枢を間近で見続けた渡辺だからこそ語れる言葉からは、歴代宰相たちの生身の人間としての息づかいが立ち上ってくる。

▼すべての原点は戦争体験。反戦の思い

日本を代表する保守論客とされる渡辺だが、本書では、自身の原点が戦争体験にあったことを繰り返し語っている。19歳の時、学徒出陣で徴兵され、軍隊の理不尽と暴力に直面して戦争を憎み、現在にいたるまで「反戦」の思いを持ち続けてきた。ともすると、「タカ派」であるかのようにとらえられがちな渡辺だが、若い世代に「戦争を知らせないといかん」と語る姿は、戦争を知る最後の世代としての切実さに満ちている。そして、国民の大多数が戦争を知らない現代日本に向けての警鐘ともなっている。

【著者プロフィール】

安井浩一郎(やすい・こういちろう)

NHK報道局政経・国際番組部 政治番組チーフ・プロデューサー。1980年埼玉県生まれ。2004年早稲田大学政治経済学部政治学科卒業後、NHK入局。仙台局報道番組、報道局政治番組、報道局社会番組部、放送総局大型企画開発センターのディレクターを経て、2020年より現所属。戦後史や政治分野を中心に、主にNHKスペシャルなどの報道番組を制作。著書に『吉田茂と岸信介 自民党・保守二大潮流の系譜』、共著に『ウイルス大感染時代』『憲法と日本人 1949-64年 改憲をめぐる「15年」の攻防』。2022年度の拓殖大学客員教授も務める。

© 有限会社ルーフトップ