グッズ交換会やセミナーも 企業や自治体が進める独自の「子育て支援」

出生数が過去最低となる中、やはり求められるのは「子育て支援」です。東京都内の民間企業や自治体では独自の子育て支援の取り組みを行っています。今回、新米パパ・ママにうれしい取り組みを取材しました。

<育児グッズの交換会も 出産後も働き続けられる環境目指す化粧品会社>

中央区に本社を構え、オリジナル化粧品で年商120億円を超える企業「ランクアップ」は、社員の8割を女性が占めます。この企業がこの日開催したのが"使わなくなった育児グッズの交換会”です。会場となった会議室にはたくさんの洋服や絵本、おもちゃなどが並び、会が始まると、先輩ママから服やおもちゃが続々と子育て中の社員の手へと渡っていきます。参加した従業員の中には「(子どもが成長して)すぐサイズアウトするので、もったいない。交換会でもらえるのはとてもありがたい」(2歳の子のママ)と話す人もいました。中には「まだパパではないけれど(子どもが)6月に出産予定なので」と話す男性もいました。男性は第1子が生まれるのを前に、自宅にいる妻とテレビ電話をつなぎ、欲しいものを確認していきました。そして「こういった社内のイベントはすごく助かる。初めてでどういうものが必要なのか分からないので『これが必要だよ』と教えてくれるのはとても助かる」と話していました。

この企業では他にも子育てをサポートするさまざまな制度を整備していて、周囲に罪悪感を感じることなく、出産後も働き続けることができる職場を目指しています。ランクアップの岩崎裕美子社長は「社員全員がエースだが、エースが次々と妊娠すると確かに大変。そうはいっても持ちつ持たれつで、みんなで協力しているのが事実」と話しています。

<豊島区×百貨店 育休からの復帰応援>

一方、豊島区では区とパートナーシップ協定を結ぶ百貨店・西武池袋本店が共同で"育休からの職場復帰を控えた人を対象としたセミナー”を開催しました。

セミナーでは出勤の前後に子どもの送り迎えもしやすいかばんや服の提案や、保健所の栄養士から離乳食レシピが紹介されました。さらに、育休からの職場復帰を経験している区の職員や西武の社員を囲んだ座談会も行われました。参加者からは「体形も変わったので、産前の洋服で入らなくなったものも多々あり、スーツも買い替えなければと考えていた時期だったので参考になった」「まだ1人目なので、復帰してからのことは想像できないこともあるが、先輩の話を聞いて、大変なこともあるけど何とかやっていけるだろうという希望は持てた」などといった声も聞かれました。

座談会で相談を受け、自らも育休を経験したという西武池袋本店の佐藤宏一さんは「子育てはパパ・ママが一緒になってやることが重要だと思うので、パパにも参加してほしい」と話し、夫婦で協力して子育てを楽しんでほしいと話しています。

豊島区と西武池袋本店はテーマを変え、こうしたイベントを定期的に行っていく予定です。

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