勝った82大会で“完璧な4日間”は何試合? ラームがウッズに聞いたこと

世界ランキングでトップのジョン・ラーム(撮影/桂川洋一)

◇米国男子◇アーノルド・パーマー招待byマスターカード 事前情報(28日)◇ベイヒルクラブ&ロッジ(フロリダ州)◇7466yd(パー72)

タイガー・ウッズがPGAツアーで挙げた通算82勝のうち、実に8勝はここベイヒルクラブでマークしている。サム・スニードと並ぶ最多勝者には他にも圧倒的な得意コースがあり、トリーパインズGCでは「ファーマーズインシュランスオープン」と「全米オープン」で計8勝、「ザ・メモリアルトーナメント」のミュアフィールドビレッジGCで5勝をつかんだ。

目下の世界ランキング1位、ジョン・ラーム(スペイン)はすでに「ファーマーズ」と「メモリアル」で優勝経験があり、2回目の出場となる今大会も鼻息が荒い。

「タイガーが良いプレーをしたコースは共通点がたくさんある。幸運にも、僕はそれらのコースでうまくやってきた。僕にも合っていると学んだんだ」。総合力が問われる上記のコースは左サイドにハザードが多く配置されており、対して右へのミスには比較的、許容範囲が広いホールが多いと分析している。

2023年に入って出場5試合で3勝、トップ10も外していない好調ぶり。まさに手が付けられないといった状態だが、毎日が大満足の出来ではない。「勝つためにはすべてのシリンダーが爆発する必要はない」と受け入れている。

「実際にタイガーとそういう会話をしたことがある、『82勝のうち、4日間を通じて最高のプレーができたのはいくつある?』と聞いたら、彼は『多くても3回だ』と言っていた。確かに彼は日曜日(最終日)にベストプレーを何度もしてきたけれど、ずっと良かったというのは少ないよね」

ラームはウッズが“胸を張った3回”のうち、2位に15打差で勝った2000年のペブルビーチGLでの「全米オープン」、そして同年セントアンドリュースで8打差を付けた「全英オープン」を挙げた。「それには同意してくれたよ。あとひとつは分からないけど。1997年のマスターズ? いや、あの時は(初日の)前半で4オーバー(からの逆転)だったでしょう」

勝つためには必ずしも毎日、完ぺきでなくてもいい。「すべての分野で100%の力を出せた、というのはほぼ起こりえない」。28歳はいま、勝負勘も冴えまくっている。(フロリダ州オーランド/桂川洋一)

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