栃木県立高入試制度見直し 全受験者、学力検査へ 県検討委報告書で提言

栃木県教委が入るビル

 栃木県立高の入試制度の見直しに向け議論してきた県の検討委員会の報告書の内容が1日、分かった。面接や作文などで選考する「特色選抜」を含め、全ての受験者に対して学力検査を実施することや、特色選抜と一般選抜を連続する2日間以上の日程で行い、短期間とすることなどが盛り込まれた。県教委は提言内容に沿って、2023年度から見直しの検討に入る方針。

 検討委は「県立高等学校入学者選抜制度改善検討委員会」。有識者や中学・高校の校長、保護者代表らで構成。昨年2月に提出された有識者による「県立高校の在り方検討会議」の提言を踏まえ検討を進めてきた。

 特色選抜は、従来の中学校長による「推薦入試」に代わり14年度入試から導入された。各高校の「求める生徒像」や「資格要件」などに応じて生徒自身が出願する。現行では定員の2〜3割で内定が出ている。

 これに対し、検討委からは「資格要件が抽象的で分かりにくい」などの意見が上がっていたという。

 報告書では、全ての受験者が一般選抜を出願した上で、各高校の資格要件に当てはまる場合は、本人の希望で特色選抜も併せて出願できる制度の検討を提言した。また、現行の入試日程は2月上旬から3月下旬にかけて全日制、定時制、通信制の試験が実施されているが、短期間の日程とすることが提案されている。

 特色選抜では、各高校の実態に応じ、プレゼンテーションや実技検査などを独自に設定することで「学力では測ることが難しい側面」を評価できるなどとも提言された。

 インフルエンザに感染した受験者らへの追試験や、欠員のある高校での再募集も提案している。

 県教委は報告書を受け、23年度に検討し結果を公表する。受験者に周知するため、公表から一定年数が経過した後、実施する計画。

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