世界34都市のリーダーが共同声明を発表 東京都主催の「G-NETS」が最終日

世界の都市のリーダーを集めて各国の課題について議論する「G-NETS」が最終日を迎え、参加した34都市が共同声明を発表しました。

ニューヨークやパリ、ロンドンなど世界の主要都市から34の市長らが参加したG-NETSが3月1日に閉幕しました。開幕した2月27日からの3日間にわたって、環境問題や安心・安全な都市を実現するための課題などを共有し、共同で取り組む政策を話し合いました。この会議は東京都が主催し、主要都市のリーダーが集まって今回初めて開催されました。

最終日には参加したリーダーらが「世界の課題解決には都市が連携し、知恵と経験を結集することが不可欠」として、共同声明を発表しました。共同声明には二酸化炭素を排出しないグリーン水素の活用に向けた技術発展、防災インフラの整備など、各都市が抱える課題に連携しながら取り組むことが明記されました。

会議に参加した小池知事は話し合いの中で課題に対して気付きがあったとして「他の都市が行っている問題や直面している課題など意見交換する中で気付きもあった」と述べた上、「今回の会議をステップにしてG-NETSをさらに発展させていく。都市課題の解決に貢献していきたい」と総括しました。

次回のG-NETSは2024年5月に開催予定です。

<世界34都市が共同声明 議論の中身は?今後は?>

2月27日から初開催されたG-NETSではどのような議論が行われたのでしょうか。

最終日の3月1日に発表された世界34都市のリーダーによる共同声明では、3つのテーマについて都市同士で連携して課題を解決し、持続可能な社会を実現することを期待するとしています。3つのテーマとは多文化の共生やジェンダーの平等の実現などを意味する「包摂・公正な社会の実現」、「環境問題への対応」、そして「安全・安心な都市づくり」です。

具体的に世界の各都市がどんな取り組みを共有したのか、小池知事が参加した環境問題をテーマにしたセッションを見てみると、例えば東京都の小池知事は、自身が環境大臣時代に主導した「クールビズ」や、東京都が現在推進する「HTT(電力を、減らす・つくる・ためる)」の取り組みなどを紹介しました。また、アメリカのニューヨークは「環境問題についてスタートアップ企業からもアイデアを募集し、2億ドル相当の投資を行っている」ことなどを披露しました。さらに、アラブ首長国連邦のアブダビは、6年前から行っているという「持続可能な燃料を使った航空機の導入」などについて説明しました。こうした各都市の先進的な取り組みの紹介、また一方で"失敗した取り組み”など、都市による環境の違いなど良い面も悪い面も共有しながら、それぞれの都市でより良い取り組みを広げていくことを目指しています。G-NETSを今後、どう進めていくかについて小池知事は「参加都市の賛同を得て、G-NETSの中に議論を行うワーキンググループを設置する。東京は議長都市としてこの新たなネットワークを発展させるべく努める」と話しています。

第2回G-NETSリーダーズサミットは2024年5月に東京ベイエリアで行う予定です。東京都が主催するこのG-NETSが、東京、日本、そして世界の課題をどう解決に導くのか注目されます。

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