高校生を逮捕…中学校を襲撃、試験中の教室へ突入「誰でも殺したい」教員切られ、逃げる生徒 17歳に何が

現場となった戸田市立美笹中学校=1日午後2時ごろ、戸田市美女木

 1日午後0時25分ごろ、埼玉県戸田市立美笹中学校から、「ナイフを持った不審者がいる」などと110番があった。侵入したのはさいたま市浦和区に住む高校生の少年(17)で、男性教員(60)が刃物のような物で切られた。少年は同校の教員4人に取り押さえられ、蕨署に殺人未遂の疑いで現行犯逮捕された。少年は「切り付けたことは間違いない。誰でもいいから人を殺したいと思った」と容疑を認めているという。捜査関係者によると、少年はさいたま市で2月、切断された猫の死骸が見つかった事件への関与をほのめかしており、県警は関連を調べる。

 逮捕容疑は1日午後0時20分ごろ、戸田市美女木5丁目の市立美笹中学校の校舎内で、男性教員に刃物のような物で上半身を複数回切り付け、全治不詳のけがを負わせた疑い。男性教員は搬送時に意識はあり、命に別条はないという。

 県警によると、3階の教室で生徒たちが試験を受けていたところ、刃物を持った少年が教室内に侵入。後方で試験の立ち会いをしていた男性教員が教室の前方から生徒たちを避難させた。男性教員は教室前の廊下で、騒ぎに気付いた同校の教員3人と少年を取り押さえ、駆け付けた警察官に引き渡したが、取り押さえる際に切り付けられて負傷した。生徒たちと他の教員にけがはなかった。犯行に使用したとみられる凶器はナイフで、廊下で発見され押収された。

 少年は美笹中の卒業生ではなく、男性教員と面識はないという。県警は犯行に及んだ経緯や詳しい状況を捜査している。

 隣接するさいたま市内の学校や公園などでは2月13日から26日にかけて、切断された猫の死骸や体の一部などが見つかる事件が5件確認されている。

 捜査関係者によると、猫の虐待について少年は関与をほのめかす供述をしているという。動物愛護法違反容疑で事件を捜査している県警は、少年の関与を視野に調べを進める。

 現場はJR埼京線の北戸田駅から南西に約2キロ。猫の死骸の一部が発見された荒川彩湖公園からは南東に約2.5キロ。

© 株式会社埼玉新聞社