50年の歴史味わう…沖縄復帰前のウイスキーを銀座で「年月の重さ感じる」ボトルに琉球政府の刻印も

 【東京】沖縄の日本復帰50年に合わせて復帰前のウイスキーを味わう「銀座で琉球政府時代のウイスキーを飲む会」が2月28日、東京都内で開かれた。貴重な復帰前のボトルをその場で開封し、飲み比べた。参加した12人は香りや味について感想を語り合いながらウイスキー5種を楽しんだ。

 那覇市内でバー「SUN・SHINE」を営む伊波興治さん(60)が「お酒を通じて沖縄が戦後歩んだ歴史を県外に発信する機会にしたい」と企画した。20年以上オーナーと親交のある東京都中央区銀座のバー「GINZA江」を借り切って開催した。

 沖縄から持ち込んだのは1960年代に瓶詰めされたとみられるウイスキー。全て納税したことを証明する琉球政府の刻印が残っている。ジョニーウォーカーのレッドラベルとブラックラベル、ホワイトホース、カティーサーク、グランツの5種。

 伊波さんによると、時間がたって熟成されたウイスキーは角が取れて甘みや味の深み、コクが増す。

 参加した伊藤憲義さん(55)=東京都=は「この味は時間がたつことでしか作られない。沖縄返還50年の節目にその味を楽しめて良かった。50年の年月の重さを感じる」と語った。

 伊波さんは「復帰50年の節目に県外の人にも飲ませたかった。酒通の多い銀座で喜んでもらえたので良かった」と話した。(明真南斗)

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