協議が続いている静岡大学と浜松医科大学の統合・再編計画について新たな動きです。浜松市や経済界などが早期の実現を目指すため、3月2日、期成同盟会を発足しました。この問題をめぐっては、浜松市と静岡市の間で賛否が分かれています。
<浜松市 鈴木康友市長>
「就学の機会を奪い、教育の機会を奪っている、これが許せません。これを見過ごしている、静大の学長に私は猛省を促したい」
怒りをあらわにした浜松市の鈴木康友市長。問題となっているのは、現在、協議中の静岡大学と浜松医科大学の統合・再編計画です。静岡大学と浜松医科大学は2019年、法人を1つにした上で、静岡地区と浜松地区の2つの大学に再編する計画に合意しました。
しかし、静岡大学の日詰一幸学長が静岡地区の学部が減少することを懸念し、2つの大学を1つにする私案を示すなど意見が対立し、統合・再編が実現しない状況が続いています。
大学再編を支持してきた浜松市の鈴木康友市長は、静岡県西部の自治体などとともに早期実現を目指す期成同盟会を3月2日、発足させました。
<浜松市 鈴木康友市長>
「きょう、浜松キャンパスの意思が『独立・自立』という形で川田副学長から明確に強い意志が表明された。これも静岡大学の意思でもあります」
この問題をめぐっては、静岡市と浜松市で考えに隔たりがあります。期成同盟会が発足したことを受け、田辺信宏静岡市長は3月2日、SBSの取材に対し、「見守りたいと思っている。大学間の当事者同士の話で地域対立になってはいけない」などと懸念の声を示しました。
学生たちはこの問題をどう見ているのでしょうか。
<浜松医科大学の学生>
「単科大だと同じ学部学科と関わることしかないので、他学部と関われたら自分の知見や学びも広がるのかな」
<静岡大の学生>
「実家が浜松で(静岡に)通っているんですが、統合すると浜松の方(工学部など)が取り残されてしまい、静岡(の静岡大学)と浜松医科だけみたいになるので、どうなんだろうなと疑問には思う」
学生の間でも賛否が分かれる再編問題。浜松市と静岡市の隔たりを埋めることができるのか、今後が注目されます。