鬼に金棒? 絶好調ラームはパッティングが劇的向上

難関ベイヒルでもラームの勢いが止まらない(Keyur Khamar/PGA TOUR via Getty Images)

◇米国男子◇アーノルド・パーマー招待byマスターカード 初日(2日)◇ベイヒルクラブ&ロッジ(フロリダ州)◇7466yd(パー72)

大きく左に曲げた後半15番の第1打が、「きょう最悪のショット」だったとジョン・ラーム(スペイン)は振り返った。林から出して3オン。「5(ボギー)は悪いスコアじゃないと受け入れた」ところで、10mのパーパットが決まってしまうのが目下の世界ランク1位たる所以かもしれない。さらに、続く16番(パー5)でカラーからの3打目をパターで沈めイーグルにするところもまた、そうかもしれない。

2024年に入って5戦3勝、トップ10入りを続けているラームは今週もフィールドを圧倒して滑り出した。風の吹いた午後に開始から3連続バーディで飛び出し、「65」で7アンダー。初出場した昨年は一度も60台をマークできないまま去ったベイヒルで、後続に2打差を付けて単独首位スタートを決めた。

シビアなパー3である前半2番でピンそば1.5m、後半17番で80㎝のチャンスを作るショット力は健在。パワーも精度もトップクラスのまま、「今年はパッティングがすごく良くなった」と自己分析する。昨季28位(+0.367)だったストローク・ゲインド・パッティングは現在9位(+0.787)、121位だった平均パット(1.768)は2位(1.67)に押し上げた。「とはいえ、パッティングの良し悪しの差はすごく小さい。とくにこういうグリーンでは、すぐに難しくなったりする」と油断もない。

PGAツアーで3月が終わるまでに4勝を挙げたのは直近で1974年のジョニー・ミラー。49年前の記録に並ぶチャンスはまだ十分にある。(フロリダ州オーランド/桂川洋一)

© 株式会社ゴルフダイジェスト・オンライン