「激しく動揺しております」“被買収”現職町議 罰金10万円の有罪判決 河井克行元法務大臣夫妻の買収事件

河井夫妻の大規模買収事件をめぐる裁判…。広島地裁は、3日、安芸太田町の町議に、罰金10万円を言い渡しました。被買収側の正式な裁判で現職の議員に判決が下されるのは初めてです。

判決によりますと、安芸太田町議会議員の矢立孝彦 被告は、4年前の参議院選挙で河井案里氏を当選させる目的と知りながら、夫・克行元法務大臣から現金20万円を受け取りました。

広島地裁の石井寛裁判長は「被告は現金の返還へ向けた具体的な行動をしていない。町の利益を図るなどの思惑もあって、現金20万円を自分の所得とする意思のもとで克行氏が現金を渡した趣旨を受け入れた」と認定。

一方で、「現金を受け取る態度は消極的で、事件の発覚後に被告人は議長を辞職している」などとして、罰金10万円と、20万円の没収を言い渡しました。(求刑 罰金20万円)

安芸太田町議会 矢立孝彦被告 判決後会見
「事実に基づいたことが判決文への反映がほとんどされていないという印象です。激しく動揺しております」

矢立氏は、「控訴や進退については判決文をこれから精査し、支援者らと相談する」としています。

事件発覚後、矢立被告は現金20万円を受け取ったことを認め、議長を辞任しましたが、議員の職は任期満了まで務めました。おととし3月、町議選にあらためて立候補し、当選。去年3月、在宅起訴されました。

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