日本人選手のパイオニアといえばやはり中田英寿。それまでにも欧州でプレーした選手はいたが、彼が活躍したからこそ後が続いていったといえる。
今回はそんな中田英寿がともにプレーしたことがある選手の中で「ベストイレブン」を選んでみた。
GK:タファレル
国籍:ブラジル
中田英寿とともにプレーしたクラブ:パルマ
そのシーズン:2001~2003
90年代のブラジル代表を支えた名ゴールキーパー。1990年にパルマへ加入した時には「セリエAで初めてプレーしたブラジル人GK」にもなった。そしてレッジアーナ、アトレチコ・ミネイロ、ガラタサライを経てパルマに復帰。中田英寿とチームメイトになった。なおコーチとして後にガラタサライで指導し、その際には長友佑都と親しく過ごしたという。
CB:アウダイール
国籍:ブラジル
中田英寿とともにプレーしたクラブ:ローマ
そのシーズン:2000~2001
ブラジルの歴史上最高クラスのディフェンダーとして評価されるアウダイール。プロとしてのキャリアの大半をローマで過ごし、殿堂入りも果たしている選手だ。ブラジル代表では1994年のワールドカップ優勝に貢献するなど80試合に出場している。とてもエレガントで知的なセンターバックとして知られた。
CB:ワルテル・サムエル
国籍:アルゼンチン
中田英寿とともにプレーしたクラブ:ローマ
そのシーズン:2000~2001
アルゼンチンのこの世代で最高のセンターバックと評価されるサムエル。パワフルでアグレッシブ、そして知的なマーキングで知られた選手で、その守備面の能力は世界屈指だと言われた。先日行われたワールドカップ2022ではアルゼンチン代表のコーチを務めており、選手時代には届かなかった世界王者に輝いている。
CB:ファビオ・カンナヴァーロ
国籍:イタリア
中田英寿とともにプレーしたクラブ:パルマ
そのシーズン:2001~2002
後にディフェンダーながらバロンドールに輝くファビオ・カンナヴァーロ。中田英寿が加入したときのパルマはスター軍団の名残がまだ少し残っており、彼もまだ所属していた。2002年にユヴェントスへ移籍し、その後の活躍はご存知のとおりである。
右WB:カフー
国籍:ブラジル
中田英寿とともにプレーしたクラブ:ローマ
そのシーズン:2000~2001
この時代で世界最高の右サイドバックといえばブラジルの主将でもあったカフーであろう。非常にダイナミックで、クレバーで、身体能力も高く、攻撃的なプレーを得意としながらも規律に優れ、守備も素晴らしく、陽気な性格でリーダーシップもあった。中田英寿らとともにローマでセリエAのスクデットを獲得している。
左WB:ヴァンサン・カンデラ
国籍:フランス
中田英寿とともにプレーしたクラブ:ローマ
そのシーズン:2000~2001
左サイドは誰にするか迷ったが、やはりローマ時代の名SBヴァンサン・カンデラが筆頭か。様々なポジションをこなすユーティリティプレーヤーであったが、カフーと両サイドを担ったシステムは攻守ともに素晴らしいバランスを保っていた。フランス代表では1998年W杯とEURO2000の優勝を経験。
DMF:エメルソン
国籍:ブラジル
中田英寿とともにプレーしたクラブ:ローマ
そのシーズン:2000~2001
クリスティアーノ・ザネッティやマティアス・アルメイダと迷ったが、それでもやはりエメルソンを選ぶべきだろう。2000年にローマへと加入し、その卓越した守備能力でファビオ・カペッロ監督の信頼を獲得し、スクデットに大きく貢献した。ブラジル代表が優勝した2002年のワールドカップではキャプテンに選ばれていたが、練習で肩を脱臼したために離脱している。
OMF:フランチェスコ・トッティ
国籍:イタリア
中田英寿とともにプレーしたクラブ:ローマ
そのシーズン:2000~2001
結局ローマ祭りにはなってしまうが、トッティを除くはずもない企画である。中田英寿とはローマでポジションを争った…というよりは、中田英寿がトッティの控えであった。ただこの2名がいたことでこのチームの創造性が常に保たれたとも言える2本の矛であった。
OMF:ミラン・ラパイッチ
国籍:クロアチア
中田英寿とともにプレーしたクラブ:ペルージャ
そのシーズン:1998~1999
ようやくペルージャからのミラン・ラパイッチ。中田英寿が欧州に進出したときのチームメイトだ。クロアチアの伝説的なアタッカーで、コーラと煙草を愛した男らしい豪快さを持った愛すべきアタッカーであった。2002年ワールドカップにも出場。
FW:ガブリエル・バティストゥータ
国籍:アルゼンチン
中田英寿とともにプレーしたクラブ:ローマ
そのシーズン:2000~2001
FWの一角もやはりローマから。モンテッラやデルヴェッキオなどもいるが、その中でもバティストゥータは最高だ。キャノン砲のようなシュートを武器にしたこの世代最高のストライカーの一人であり、2000-01シーズンは20ゴールを決めてスクデットの獲得に大きく貢献している。
FW:アドリアーノ
国籍:ブラジル
中田英寿とともにプレーしたクラブ:パルマ
そのシーズン:2002~2003
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パルマにもムトゥやジラルディーノなど特筆する選手はいるが、やはりインパクトはアドリアーノが絶大だった。圧倒的な身体能力とシュートを武器に若くしてパルマで大爆発。ムトゥ+中田とともに「トリデンテ」(三叉の槍)を形成し、ブラジル代表に上り詰めた。その後はトラブルで急速にキャリアが下降していったが、一瞬の衝撃は凄まじかった。