【寄稿】原点回帰2023(WEB版)/大﨑一万発

数年来の放蕩三昧が祟って、いよいよ遊交費、いやそれ以前に生活費が底をついてまいりました(笑)。というか財務的にはとっくに借入超過状態でして、ええ歳こいてお金がな~い、仕事もヒマ~、でも飲みに行けな~い、みたいな、ちょっと笑えない日々を過ごしております厳冬期のまんぱつです。こうなりますとワタシも小人、当然ながらパチンコの打ち方も変化してまいりまして、100万でも200万でも負けてやるよと嘯いてきた強がりはどこへやら、行く先々でシコシコ貯玉を始めて負債削減すべくの涙ぐましい努力を始めています。実は、何十回とリピート来店しているホールでも、これまで一切どこの会員にもなっていなかったんですよね。それも非等価店のが多いですから、何年にも渡って結構な無駄ガネを捨てていたことになる。そりゃ借金も増えますわね。

なぜ会員になるのを嫌がったかというと、うちに山ほど死蔵カードがあるからなんです。もともとは立派な「勝ち組」でしたから、昔はちゃんとやってました(笑)。でも雑な性格ゆえ、忘れたり無くしたりですぐに所在を見失う。さっき机を引っ掻き回したら、会員カードのみならず、一般カードもICコインも、何なら残高アリのパッキー/パニーカード(もはや30年モノです)も20枚以上発見されました。もう二度と行かない店もあるし、とっくに閉店してる店も複数ある。これら遺失利益を勘定したら、カード作らない方が得なんじゃないかと投げやりにやってきたわけですが、いやそれ根本的に間違った現実逃避。今更ながら心入れ替え、いつ以来か記憶にない年間勝ち越しを目論む2023年なのでした。(※なお一番の珍品は、かつて姫路市にあった有名裏モノスロ専Sのジョイコインでしょうか。オークションにでも出したら意外と高値つくかもですから、もうちょい寝かせてみるつもりです)

それともうひとつ、収支記録を復活させました。昨年、あんまりにも負けが込みすぎたせいでブン投げていましたが、やむを得ずと言いますか、敗因究明にはやはり現実直視が欠かせません。その日メインで打った機種の回転率なんかもメモっちゃって、頑張ってたあの頃を思い出しながらのなかなか新鮮な原点回帰でもあります。と、そんな努力が報われたか、1月は末日まで5万ほどのプラス収支で、ひさしぶりの月間勝ち越しが見えた最終日に7万の大負けでブチ壊し。それも事故で電車が止まって移動ができず、しょうがなしあてなく打ったスロでやられるというバカな敗戦。大事なことは期待値計算よりイベント選びより「自制心」。そんな当たり前のことも忘れかけていたんですよねぇ。

パチンコ打ってお金が増えたらもちろん嬉しいですけど、でも増やそうと思って打つことはない。あくまで運頼り、基本は負ける前提でパチ屋に行く……。これが僕の、エンジョイ勢となって以来10年のパチンコスタイルです。そして、一般のプレイヤーに対しても、勝てないと割り切って遊べと説き続けてきました。なぜなら、ユーザー必敗が宿命づけられたパチンコにおいて、その「理」に抗うことは利よりストレスが勝るわけだし、今や得られる報酬も努力に見合うものではなくなっている。そこを割り切れたら現実を受け入れられるし、ただの遊びにキリキリするナンセンスに囚われることもないとの考えなんですが、でも端からオラ負けてやるよなんて居直りは、当たり前のプレイヤーメンタルに照らせば、それどころじゃないナンセンスな振る舞いであり、とても共感などしてもらえるわけもありません。しかも雑に、運任せで打ち散らかしている限りは、今の荒いパチンコはただのギャンブル(小博打)です。遊技だの文化を守れだのと言い張ってきた自分自身が、実はパチンコの「遊技たる理由」を放棄するような打ち方に堕していたことに気がつかされ、大いなる反省の最中でもあります。

というわけで、立ち回りのみならずメンタル面でも原点回帰中のまんぱつ、今年は丁寧に、まじめに打ってより楽しいパチンコライフを目指します。真剣にやるから、ふざけた振る舞いをするような店や台に対する目線は厳しくならざるを得ないですが、それは頑張ってもなかなか勝ちきれない現実に対峙する客として当然の「権利」だとも思います。現状、洒落にならない金欠ではありますが、おかげでお金より大事なことを思いださせてくれて、むしろ身ぐるみ剥がされた銀座の飲み屋には感謝でもあります(8丁目のTちゃんありがとうございます)。

■プロフィール
大﨑一万発
パチプロ→『パチンコ必勝ガイド』編集長を経て、現在はフリーのパチンコライター。多数のパチンコメディアに携わるほか、パチンコ関連のアドバイザー、プランナーとしても活動中。

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