王者アストロズの正中堅手争い メジャー3年目の2選手による競争

昨季王者のアストロズでは、メジャー3年目を迎えた2人の外野手が正中堅手の座を争っている。27歳のチャス・マコーミックと26歳のジェイク・マイヤーズだ。この2人は2017年のドラフトで指名された同期生でもある(マコーミックは21巡目指名、マイヤーズは13巡目指名)。過去2シーズンの実績ではマコーミックが一歩リードしているが、マイヤーズも左肩の故障が癒え、万全の状態でスプリング・トレーニングを迎えている。一体どちらが今月末のシーズン開幕戦で中堅を守ることになるのだろうか。

マコーミックは昨季119試合に出場して打率.245、14本塁打、44打点、4盗塁、OPS.739を記録。ポストシーズンではヤンキースとのリーグ優勝決定シリーズで2本塁打を放ち、フィリーズとのワールドシリーズ第5戦で見せたフェンス際のナイスキャッチも記憶に新しい。ただし、昨季は左腕に対して打率.340、5本塁打、OPS.972の好成績を残した一方、右腕に対しては打率.207、9本塁打、OPS.645にとどまっており、フルタイムのレギュラーの座を手中に収めるためには、対右腕の成績を向上させることが不可欠だ。

一方のマイヤーズは2021年8月にデビューして49試合で打率.260、6本塁打、OPS.761をマークしたが、同年のポストシーズンで左肩を負傷し、昨季は52試合で打率.227、1本塁打、OPS.582と不本意な成績に終わった。「かなり健康だし、状態はいい。今季に向けてしっかり準備してきた」と本人が語っているように、左肩の故障は癒えており、メジャー3年目の今季は本領発揮が期待される。昨季は復帰を急ぎすぎたため、十分なパフォーマンスを発揮できなかったという。

アストロズの外野3枠のうち、レギュラーポジションが保証されているのは右翼のカイル・タッカーだけ。左翼にはベテランのマイケル・ブラントリーがいるものの、右肩の手術からの回復途上のため、シーズン開幕までにコンディションが整わない可能性もある。よって、マコーミックとマイヤーズの2人がともにオープン戦でのアピールに成功すれば、一方が中堅、もう一方が左翼で開幕スタメンに名を連ねるチャンスもあるというわけだ。開幕までの残りおよそ3週間、同期入団の2人の競争は続いていく。

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