都内の30代独身女性の平均年収や貯蓄額や月の生活費はいくら?【2023年版】

30代女性とひとことで言っても、そのライフスタイルはまさに十人十色。責任ある仕事をまかされるようになる人が増える一方、転職をする人も少なくありません。プライベートでは結婚や出産をする人も。仕事とプライベートのバランスをとるには、柔軟な発想がポイント。自分の考えにこだわりすぎないことも時には必要でしょう。

家計のバランスも、自分なりの価値観も大切ですが、周囲とかけ離れているのも考えものです。周りの人がどのくらいの収入で、貯蓄はいくらくらいしているものなのか知っておくことも大切です。

今回は、東京都内で暮らす、30代独身一人暮らしの収入、貯蓄、生活費の平均について見ていきましょう。


東京都の女性の平均年収は約355万~371万円

東京の平均賃金は、男女とも全国都道府県のなかで最も高い水準です(厚生労働省「2021年賃金構造基本統計調査」)。所得税や社会保険料などを差引く前の、額面賃金は、女性の全国平均は約25万3600円。30代前半の30~34歳では24万8500円、30代後半の35~39歳では、26万円です。

東京都の賃金が、全国平均の約1.19であることを加味すると、都内に住む女性の賃金は、30代前半で約29万6000円、後半で約30万9000円です。

東京都で働く女性は、年収にして約355万~371万円。月の手取り額は、24万円前後。この中から、貯蓄をしつつ生活費をやりくりしているので、決して楽ではない実態が浮かび上がってきます。

収入は、働き方によっても違いがあります。比較的安定して働ける、正社員・正職員に比べて、正社員・正職員以外の収入はおさえられがちです。

さきほどの、東京は全国平均の1.19倍、と考えると、30代の雇用形態別平均賃金は以下のようになります。

東京に住む女性の平均賃金は、正社員・正職員は30代前半で約30万8000円、30代後半で約32万7000円、正社員・正職員以外では30代前半で約23万7000円、30代後半で23万5000円です。

正社員・正職員の賃金水準の方が高いのは全国的な傾向ですが、企業の規模によって差の大きさには違いがあります。大企業ほど差が大きく、小企業では差が小さくなっています。

数字を見る限り、正社員・正職員以外で働くなら、小企業のほうが賃金面ではよさそうです。ただし、大企業であればパート職員であっても社会保険に加入できたり、福利厚生が充実していたりと、賃金の額面金額だけではわからない実質的なメリットもあります。

仕事選び、会社選びは、仕事のやりがいはもちろんですが、収入の面も重要です。いったん就職したら、転職をするのは大変なことも多いので、総合的な待遇も含めて考えることが大切です。

30代独身で貯蓄ゼロは32.4%、貯蓄ありの平均額は約741万円

では、30代の平均貯蓄額はいくらでしょうか。金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査(単身世帯調査)」によれば、約494万円です。

ただし、これは貯金ゼロ~3000万円以上の金融資産を持っている人全ての平均値。平均値は、高額な金融資産を持っている人が少数でも入ると、実態とは異なる数値になることがあります。30代独身の貯蓄平均額も同様です。平均値が含まれる、貯蓄500~700万円ある30代独身の割合は、全体の7.1%しかいないのです。

さらにデータを見てみると「金融資産非保有者」、つまり貯蓄ゼロの割合が32.4%もいることがわかります。そのため、平均値は約494万円ですが、実際に494万円の貯蓄を持っている人は少数派です。

また、金融資産を保有している人だけで見てみると、貯蓄の平均は741万円もあることにも注目です。貯蓄がある人だけにしぼると、平均額はグッと高くなりますね。年収が少ないと貯蓄は無理と思うかもしれませんが、独身の30代で年収300万~500万円未満では、貯蓄がない人は24.1%、貯蓄額の平均は479万円です。

年収750万~1000万円未満の人で貯蓄のない人は、33.3%います。年収が高いと、何かあっても大丈夫と油断してしまうのかもしれませんね。しかし、もしものために貯蓄は生活費の半年分くらいは持っていたいものです。貯蓄がなければ借金などで賄わなければならず、家計のバランスが崩れてしまいかねません。

生活費は1カ月平均18万9000円

さて、貯蓄をするには元手が必要です。限られた収入から生活費をやりくりして貯蓄分を捻出するには、どのような支出バランスが適切なのか考えてみましょう。

東京などの大都市圏では家賃がかさみます。東京圏の賃貸マンションの家賃相場は上昇傾向にあり、2022年9月までのデータによると、ワンルームの家賃平均は7万4363円(下限6万5131円~上限8万3594円)、1LK~2DKの家賃平均は10万9931円(下限9万5017円~上限12万4846円)となっています(公益財団法人 不動産流通推進センター「2022不動産統計集」)。

月の手取りが24万円で、ワンルームマンションの家賃が7万2000円であれば、なんとか3分の1以内におさまり、大きな無理のない支出の範囲です。他の支出について、30代女性の平均的なバランスはどのようになっているでしょうか。

平均額と比べて、実際の家計支出はどのようになっているでしょうか。食にこだわりのある人なら、食費がもっとかかっているかもしれませんね。また、女性であればヘアサロンやエステなど、美容にかけるお金が加わる人もいるでしょう。趣味の費用を別に考えなくてはならない人もいるのではないでしょうか。あるいは、何に使っているかよくわからないけれど「お給料日前はいつもお財布がピンチ」という人は、まずは支出の明細を把握しましょう。

平均的な支出にすると、1カ月の手取り収入から家計費の支出が16万3000円なので、毎月7万7000円の黒字。単純に預貯金にしておいても1年で92万4000円、3年で277万円もの資金になります。

貯蓄分は毎月の家計支出にはおさまらないような、大きな支出に備えるものです。たとえば、冷蔵庫やパソコンなどの電気製品を買ったり、旅行をしたり、スキルアップのため勉強をしたり。株や投資信託で資産運用を始めるものいいでしょう。

自分では決して不満ではない収入や貯蓄、生活費であっても、平均と比べることで見えてくることがあります。こんなものだと思い込んでいたら実は多くの人が副収入を得ていたり、貯蓄を増やしていたり、ということもあります。しかし、30代なら多少の出遅れは挽回可能。まずはマネー知識を増やしていきましょう。

逆に、自分が周囲よりも高収入で貯蓄・投資スキルがあっても油断は禁物です。長い人生は何があるかわかりません。さらにスキルアップして高みを目指していただきたいと思います。

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