中須賀克行、カーボンニュートラル燃料で2分05秒976をマーク! TSRホンダは2分06秒台/鈴鹿2輪合同走行

 3月6日、ファン感謝デーの翌日に行われた鈴鹿サーキットの2輪合同テストは、快晴のもと最高気温18度、路面温度は35度と4月のような陽気となったこともあり絶好のコンディションとなった。午前中は9:45分から、午後は14時から、各1時間の走行が行われ、それぞれのライダーは、2023年シーズンで初めて本格的な走行に臨んだ。

 YAMAHA FACTORY RACING TEAMは、今シーズンから導入されるハルターマン・カーレスのカーボンニュートラル・フューエルを使用。すでにテストコースで何回かテストをしており、鈴鹿を走るのは今回が初めてとなったが、中須賀克行は1本目に2分06秒697をマークすると、2本目には2分05秒976までタイムを詰めトップタイムを記録した。無鉛ハイオクに比べ、パワーが落ち、燃費も悪くなると言われてきたが実際に使った感触を聞いてみた。

「(無鉛ハイオクに比べると)パワーは落ちるし、領域によっても特性が変わるのでマップの調整が必要です。燃焼効率がよくないのでエンジンブレーキのフィーリングも変わりますし、マフラーに燃えカスが付きますね。まだまだ詰めなくちゃいけない状態なので、まだタイム出しという段階ではないですね」と中須賀。

中須賀克行(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)/2023鈴鹿2輪合同走行

 チームメイトの岡本裕生も2分06秒010と僅差で続いており、新しい燃料対策は一歩進んでいるようだ。

 岡本は「吹け上がり方がバラバラで、やっぱり燃えにくい感じがしますね。全域で影響を受けているので、その状態に合わせてマシンを仕上げていけないといけないですね。その点でも確実にデータはあるので、JSB1000クラス2年目のシーズンですし、中須賀選手の胸をお借りして勝負を挑めればと思っています」と王者にチャレンジする覚悟だ。

ジョシュ・フック(F.C.C. TSR Honda France)/2023鈴鹿2輪合同走行

 YAMAHA FACTORY RACING TEAMに続いたのは、2分06秒台に入れたF.C.C. TSR Honda Franceのジョシュ・フックだった。

「昨年末にASBK(オーストラリアスーパーバイク)にスポット参戦したときに転倒し手首を骨折して以来の本格的な走行だったけれど、自分自身の状態を確認する意味でも重要なテストになった。スイングアーム、r’s gearのエキゾーストなど、いくつか新しいパーツが装着され、全体的にバイクがうまく機能してくれていると感じたのでル・マンでテストをするのが、とても楽しみだよ」と上機嫌。再びゼッケン1を狙うシーズンとなる。

水野涼(Astemo Honda Dream SI Racing)/2023鈴鹿2輪合同走行

 4番手には桜井ホンダから鈴鹿2&4、鈴鹿8耐に参戦予定の日浦大治朗が2分07秒559、5番手に新チームで初ライドとなる水野涼(Astemo Honda Dream SI Racing)が2分07秒675で続いた。

「今回は、作本選手の仕様に乗らせてもらいました。新しいチームで初めての作業となりましたが、いろいろ確認できたので、いいテストになりました」と水野は、手応えを強調。Astemo Honda Dream SI Racingとしても、大きくチーム体制が変わっての初テストとなった。

 作本輝介も「新しい担当メカニックとコミュニケーションを取りながら開幕戦に向けて、どう進めていくかを話し合えたので、よかったですね。水野選手が加わったことで、データも共有できますし、お互い刺激し合いながらチーム全体で上がっていければいいと思いますね」と切磋琢磨していきたいと語った。

渡辺一樹(TRICKSTAR)/2023鈴鹿2輪合同走行

 6番手の渡辺一樹(Team Kawasaki Webike Trickstar)は最後に転倒があったものの怪我はなかった。昨年の鈴鹿8耐以来の走行となった名越哲平(SDG Honda Racing)は7番手。こちらも新チームとなる伊藤和輝(SAKURAI HONDA)は8番手。9番手にヨシムラGSX-R1000Rを初ライドした亀井雄大(YOSHIMURA SERT Motul)と続いた。

 亀井は「思っていたよりも乗れましたが、周りのタイムが出ているので課題は山積みですね。ただ、すごく曲がる車体だったので、自分のライディングスタイルに合っていますし、うまく生かすセットを詰めていければタイムも縮められるはずです。GSX-R1000Rのポテンシャルは高いと思います」とコメントした。

 しんがりとなる10番手には、ファン感謝デーに初参加した児玉勇太(TEAM KODAMA)がつけ、確認作業に終始していた。

 全日本ロードレース選手権は、今年も栃木県・モビリティリゾートもてぎで4月1日(土)・2日(日)で開幕。3月20日(木)〜22日(土)には事前公開テストが同地で開催される。JSB1000クラスは、事前テストから新燃料をテストするチームがほとんどとなりそうだ。

岡本裕生(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)/2023鈴鹿2輪合同走行
水野涼(Astemo Honda Dream SI Racing)/2023鈴鹿2輪合同走行
日浦大治朗(SAKURAI HONDA)/2023鈴鹿2輪合同走行
岡本裕生(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)/2023鈴鹿2輪合同走行

■2輪合同走行 フリー走行 1回目

Pos No Rider Team Best Time Lap Top Speed

1 47 中須賀克行 YAMAHA FACTORY RACING TEAM 2’06.687 13/15 294.765

2 780 岡本T YAMAHA FACTORY RACING TEAM 2’07.644 6/17 294.765

3 72 日浦大治朗 SAKURAI HONDA 2’07.790 9/12 301.856

4 36 ジョシュ・フック F.C.C. TSR Honda France 2’08.059 14/14 297.763

5 41 水野涼 Astemo Honda Dream SI Racing 2’09.164 10/19 298.776

6 40 作本輝介 Astemo Honda Dream SI Racing 2’09.217 16/16 298.776

7 38 伊藤和輝 SAKURAI HONDA 2’09.245 15/16 297.763

8 42 名越哲平 SDG Honda Racing 2’09.619 16/18 299.795

9 1 亀井雄大 YOSHIMURA SERT Motul 2’09.803 14/17 295.758

10 46 渡辺一樹 TRICKSTAR 2’12.410 17/17 286.124

11 5 亀井T YOSHIMURA SERT Motul 2’12.552 2/4 292.800

12 45 児玉勇太 TEAM KODAMA 2’12.578 12/18 282.444

■2輪合同走行 フリー走行 2回目

Pos No Rider Team Best Time Lap Top Speed

1 470 中須賀T YAMAHA FACTORY RACING TEAM 2’05.976 4/8 301.856

2 48 岡本裕生 YAMAHA FACTORY RACING TEAM 2’06.010 15/17 306.063

3 47 中須賀克行 YAMAHA FACTORY RACING TEAM 2’06.268 3/5 299.795

4 36 ジョシュ・フック F.C.C. TSR Honda France 2’06.924 9/14 303.945

5 72 日浦大治朗 SAKURAI HONDA 2’07.559 8/14 305.000

6 41 水野涼 Astemo Honda Dream SI Racing 2’07.675 6/16 305.000

7 46 渡辺一樹 TRICKSTAR 2’08.567 11/13 297.763

8 420 名越T SDG Honda Racing 2’08.681 9/12 301.856

9 40 作本輝介 Astemo Honda Dream SI Racing 2’09.212 5/15 305.000

10 1 亀井雄大 YOSHIMURA SERT Motul 2’09.562 15/17 300.822

11 38 伊藤和輝 SAKURAI HONDA 2’10.023 4/6 302.897

12 45 児玉勇太 TEAM KODAMA 2’10.259 18/19 288.947

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