服飾雑貨の「H.P.FRANCE」などを展開、アッシュ・ペー・フランス(株)(東京)が会社更生

アッシュ・ペー・フランスの店舗(TSR撮影)

 アッシュ・ペー・フランス(株)(TSR企業コード:293135924、法人番号:9010501024380、港区南青山5-7-17、設立1985(昭和60)年8月1日、資本金5000万円、原敏文社長)は2月24日、東京地裁に会社更生法の適用を申請し同日、保全管理命令を受けた。
 保全管理人には蓑毛良和弁護士(三宅・今井・池田法律事務所、新宿区新宿1-8-5)が選任された。
 負債総額は債権者28名に対して約29億円。会社更生法による倒産は、今年に入って初めて。

 主にレディースものの服飾雑貨や衣類の販売を手掛け、「H.P.FRANCE」(アッシュ・ペー・フランス)などの屋号で展開し、2022年3月時点で約50の直営店を構えている。インポート物を扱う老舗として知られ、2013年2月期には売上高110億6324万円をあげていた。
 しかし、急激な事業拡大や多角化に加え、不正会計などで資金繰りが悪化。2017年に事業再生ADR(裁判外紛争解決手続)を申請し、金融機関から一部債権放棄を受け、ファンドをスポンサーとした資本の組み換えが行われた。
 
 近年は自社サイトでのオンライン販売にも注力していたが、その後も業況は変わらず、新型コロナウイルスの感染拡大による店舗休業や円安による原価上昇などで業績改善が遅れていた。不採算店舗の閉鎖などを進めたが、事業再生ADRによる条件変更後の金融債務の一括返済が2023年2月末に迫っていたほか、コロナ特例猶予を受けていた約6億円の社会保険料の支払いも必要となるなか、事業継続と弁済極大化の観点から今回の措置となった。
 なお、国内外の商取引債権は全額を期限通りに返済し、店舗も平常通り営業している。また、保全管理命令後に三井住友銀行との間で融資枠10億円のコミットメントライン契約を締結し、事業継続の資金繰りは問題ないとしている。今後は、事業の収益性を高め、スポンサー選定による更生を目指す方針。

 ※アッシュ・ペー・フランス(株)(TSR企業コード:293135924、法人番号:9010501024380、港区南青山5-7-17、設立1985(昭和60)年8月、資本金5000万円)

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