北海道で酒造りに挑戦 原料に浦川原産の酒米使用 銘柄名は「みちやんま」 新潟第一酒造・武田良則社長

 新潟第一酒造(浦川原区横川)の武田良則社長(52)が北海道の地で浦川原産の酒米を用いた酒造りを行っている。水も気候も違う場所で酒造りを行う、清酒業界でもまれな取り組みを通じ、世間一般の人により一層、日本酒に興味を持ってほしいと考えている。

三千櫻酒造の山田社長(左から2人目)と従業員、新潟第一酒造の武田社長(右、三千櫻酒造フェイスブックより)

 酒造りを行っているのは、三千櫻(みちざくら)酒造(北海道東川町)。武田さんが昨年4月に北海道旭川市へ出張した際に訪れ、つながりを持ち、山田耕司社長に同酒造で酒造りをしたい意向を伝えていた。9月に再訪し、製造スケジュールや酒の種類、販売・流通などを検討。銘柄名を「みちやんま」と決めた。同酒造の「みち」と新潟第一酒造の銘柄「山間(やんま)」を合わせて名付けた。
 2月16日から三千櫻酒造の仕込み作業に従事し、設備や作業工程を覚え、「みちやんま」の酒造り作業は同25日の米研ぎからスタート。酒米には、新潟第一酒造が栽培委託している浦川原農産物加工組合の「五百万石」を使用。55%まで精米し、「純米吟醸」を造っている。

北海道の地で酒造りの作業に励む武田さん(提供写真)

 麹(こうじ)、酒母、醪(もろみ)の管理は武田さんの役割。原料となる酒米、麹菌、酵母菌に、マル秘の仕込み配合レシピを持ち込んだ。3月15日に醪の留仕込みとなり、約4週間後に上槽(搾り)の予定。
 出来上がった酒は北海道内の酒販店で限定発売される。夏前に上越市内で「新潟第一酒造のお酒の会」を開く予定で、その席で「みちやんま」を提供する考え。
 6年前に醸造責任者を引退したという武田さんは、代表社員を務める浦川原農産物加工組合で食品としての糀(こうじ)を造り続けていて、作業のたびに「また酒造りがしたい」との思いを抱いていた。「今回ある意味、私個人のわがままを聞いていただき、このような機会を持てたことは三千櫻酒造さまをはじめ、新潟第一酒造、浦川原農産物加工組合の両従業員にも感謝の念でいっぱい」と話している。
◇8日に生中継
 8日に放映されるNHK総合の番組「あさイチ」(午前8時15分~)で三千櫻酒造から生中継が予定されている。

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