“老老介護”殺人 妻(78)認める 弁護側「認知症で体が不自由な夫を1人で日常的に…」

去年5月、広島・竹原市の自宅で85歳の夫の首を絞めて殺害したとされる78歳の妻の裁判員裁判が始まり、妻は起訴内容を認めました。

起訴状によりますと、竹原市の 中田妙子 被告(78)は去年5月、自宅のベットで寝ていた85歳の夫・光昭さんの首を、4本つなぎ合わせたネクタイで絞めて窒息させ、殺害したとされています。

7日、初公判に車いすに乗って出廷した中田被告は、裁判長から起訴内容を間違いないか問われると、「ありません」と認めました。

冒頭陳述で検察側は、「中田被告は体調の悪化を理由に自殺しようと考え、子どもたちに夫の介護の負担をなくそうと殺害した。経緯や動機は身勝手で短絡的で、結果は重大だ」と指摘しました。

一方弁護側は、「被告は去年の5月ごろから緑内障や膝関節痛をわずらいながら、重度の認知症で体が不自由な夫を1人で日常的に介護し精神的に追い込まれていた。夫の殺害後に自殺をはかったが未遂に終わった」と主張。起訴内容に争いはないとしたうえで、量刑を争う姿勢を見せました。

裁判は、家族への証人尋問や被告人質問などを経て、16日に判決が言い渡される予定です。

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