福井県は政治の男女平等なお課題、行政は改善 2023年の都道府県版ジェンダー・ギャップ指数

福井県のジェンダー・ギャップ指数

 上智大学の三浦まり教授らでつくる「地域からジェンダー平等研究会」は3月8日の国際女性デーに合わせ、各地域の男女平等度を政治、行政、教育、経済の4分野で分析した2023年の「都道府県版ジェンダー・ギャップ指数」を公表した。指数は「1」に近いほど平等を示し、福井は4分野のうち統一地方選を控える政治が0.165と最も低く、男女格差が改めて浮き彫りになった。

 都道府県版の指数公表は22年に続き2回目。政治は全国的に男女格差が大きい中で、1位の東京(指数0.310)など首都圏が数値を伸ばし地域差が広がり、二極化の傾向となった。福井は19位。国会議員と市町長に女性が1人ずついることで順位は比較的高いが、県議や市町議の女性割合は30~40位台で参画が進んでいない。

 福井はこのほか、22年と単純比較はできないが、行政(0.304)が全国5位で、県職員の育休取得率などほとんどの指標が改善し、指数、順位とも上昇した。一方、経済(0.340)は44位と低迷。共働き家庭の家事・育児時間の男女差は改善したものの、賃金面や登用面の格差が依然として課題になっている。

 算出方法を一部変更した教育(0.546)は32位。小中学校の校長などの女性割合は高いものの、四年制大学の進学率で男女差が全国に比べ大きく、順位に影響した。

 都道府県版ジェンダー・ギャップ指数は、内閣府などの統計から4分野の計30指標を選び、スイスのシンクタンク、世界経済フォーラムのジェンダー・ギャップ指数とほぼ同様の手法で、上智大学の竹内明香准教授が統計処理した。

 三浦教授は福井の傾向について「行政の良さは大きな特色。教育や経済はほぼ横ばいで、行政の取り組みをどう波及させていくかに注力すべきだ」と話した。

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