川崎で行方不明の児童を発見 神奈川県警、警察犬2頭を表彰 靴やシーツの匂いを手掛かりに…

(左から)井上警部補、アサヒ号、森署長、奥木巡査部長、ジゲン号=宮前署

 行方不明になった児童を無事発見したとして、宮前署は8日、警察犬2頭とパートナーを務める警察官2人を表彰した。表彰状をパートナーと並んで受け取った2頭には、副賞として国産ジャーキーが贈られた。森一太署長は「まさに“人犬一体”の捜査。早期発見につながり、非常にたのもしい」とたたえた。

 行方不明者の発見で表彰されるのは今回で共に10回目というシェパードのアサヒ号(5歳、メス)とジゲン号(3歳、オス)。県警鑑識課警察犬係の井上太科也警部補(47)と奥木常允巡査部長(38)がそれぞれコンビを組んでいる。

 署によると2月18日正午過ぎ、宮前区の小学3年の男子児童(9)は母親から注意を受けて家を飛び出した。心配になった母親が付近探したが見つからず110番通報した。

 その後、署から要請を受けて2頭が捜索に加わった。男児の靴やシーツから匂いを覚え、約50分後に自宅から約40メートル先の細い路地で男児を発見した。「アサヒ号が来た道を戻り、私を『こっち』と誘導してくれた先で見つかった」と井上警部補は振り返る。

 自宅から離れた場所を探していた奥木巡査部長は「無事に保護できてホッとした。24時間一緒に訓練するジゲン号は人生を捧げて仕事をしている。本当に感謝している」とねぎらった。

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