生活者目線の情報発信 インフルエンサーで売り上げ増狙う 動画やSNS駆使

クックパッド主催のイベントでスマートフォン片手に企業の商品を写真を撮るインフルエンサー=東京都

 企業の宣伝活動の一環として、インターネット上で影響力のある「インフルエンサー」を起用する動きが広がっている。生活者に近い立場から発信してもらうことで、顧客の共感を得て商品の購入につなげるのが目的だ。各社は、限定イベントを開催したり、インフルエンサーによるファッション動画を配信したりと、交流サイト(SNS)での拡散を狙い、工夫を凝らしている。

 昨年12月上旬。東京都内のイベント会場に食関連の企業約25社が集結、宣伝のために商品などを並べていた。主催したのは、レシピサイト運営のクックパッド(横浜市西区)と、SNSを中心にマーケティング事業などを展開するグリーライフスタイル(東京都)。一般の人や企業向けではなく、写真共有アプリ「インスタグラム」を中心に料理などの話題を投稿するインフルエンサー約400人を対象としたものだった。

 企業側が商品の特徴を紹介すると、インフルエンサーたちは動画や写真を撮影し、インスタに投稿。クックパッドの担当者は「参加企業からは(イベントを契機に)インスタのフォロワーが約200人増え、認知度が上がったとの声も聞かれた」と手応えをつかむ。

 近年、インフルエンサーを活用したマーケティング手法が注目を集めている。企業にとっては、影響力のある人たちの発信によって効率よく商品の魅力を伝えられるだけでなく、コメント欄などで消費者の反応を直接知ることができるのも利点という。

© 株式会社神奈川新聞社